第16話 黒ネコは干支の仲間外れだよ。
わたしにとりついていたヒツジの鬼は、黒ヒョウになった
黒ヒョウになった
そして、赤色の宝石と緑色の宝石が、「キラリン」とかがやきながら復活した。
黒ヒョウになった
そして、のんびりとした動きで、でもかろやかにしなやかにすっごいスピードで走ると、広い広い草原に一本だけ生えているおっきな木の上に「ぴょん」っと飛びはねて乗った。そして、ふたたびあくびをすると、からだを丸めて眠りはじめた。
本当に本物のネコみたい。
わたしは、保健室のカベのプロジェクターに映っている、黒ネコになった
そして、いまさらな質問をつぶやいた。
「(あれ?
わたしの声は、広い広い大草原にひびきわたった。
(本当に、どうゆう仕組みなんだろう)
そしたらね、保健室のプロジェクターの前に
「いえ〝
「……かしゃ?」
「はい。死者を
ですので、
そうなんだ……え? ちょっとまって??
「わたしを襲ってきてる鬼って、
♪
っていう、あれ??」
「そうです。
神様の世界はとてもとても複雑なのです。与党と野党があります。
頭がぐるぐるする。むずかしすぎる。
与党とか野党とかって、あれだよね、国会の政治家さんのことだよね?
つまり国のために頑張ってる人。
わたしは、むずかしすぎるので考えるのをやめた。
そして、今考えなきゃいけないことを
「ちょっと
「ゴメンゴメン。でもあのままじゃ、全滅だったからさ……しょうがなく……」
「もー、ボク! 知らない!!」
お父さんに変身したままの
「と、とりあえず……変身をといてくれ!
その格好が……面白すぎて……クク……フフフフ……」
保健室のプロジェクターで見ている、わたしとこまち先生も、おなかが苦しくなった。だって、面白すぎるんだもん。カワイイ
お父さんに変身した
「うそ? これがボク?? そっか、
「頼む、本当に頼む! 面白すぎるから……似合ってないにもホドがある」
「そうかなぁ……結構カワイイと思うんだけど♪」
そう言うと、お父さんに変身した
「わたし、
日本最高の
「あははははは!」
「あははははは!」
「あははははは!」
わたしと、こまち先生と、プロジェクターに映った
「あ、あかん、笑いすぎて、わき腹をつってもうた! 痛い……苦しい!」
こまち先生は、ヒーヒーと笑いながら顔をゆがめて苦しんだ。わたしは大慌てで、わき腹をおさえるこまち先生の背中をさすった。
「(
ふざけていないで、はやく変身をといてくれたまえ……まえ……まえ……。
お願いだ……いだ……いだ……いだ……。
本当にお願いします……ます……ます……ます……)」
広い広い草原に、お父さんの声がひびいた。
「はーい!」
お父さんに変身をした
「♪
お父さんに変身していた
そして、
お父さんは、まるでこの世の終わりみたいに、ゲッソリとしていた。
わたしは、なんとも言えない気分になった。だからね、思ったことをそのまま言った。
「ごめんなさい……」
お父さんのこと、笑っちゃってごめんなさい。
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