第11話 鬼は〇〇〇にかくれるよ。
こまち先生は、立ち上がってさけんだ。
「そうやな……それにウチはまだ仕事が残っとる!!
忘れてた!
わたし、鬼にとりつかれていたんだ!!
「ええ! ミコちゃんが、鬼にとりつかれていたの??」
ミコ
「全く気配を感じない。強敵だ! 戦いたい!」
そして、「チャキ!」と教室のスピーカーにむかって、あおみどり色の剣をかまえると、
「かかかってきやがれ!!」
ってさけんだ。すかさず、
「バカ
って言った。
「あ、そっか。」
「ミコ! 服を脱いでくれ!」
て、言った。
「バカ! 女の子がそんなことできるわけないでしょう!」
ミコ風水くんが言った。いつもニコニコしている風水くんが、すごい怒っていた。
「じゃあ、どうすればいいんだよ……気配でわからないなら、目で見て探すしかないだろう? なにか、ヒントがあるはずなんだ」
バカと言われた
「先生にまかしとき! この美少女
よかった、いつものこまち先生だ。じしょう美少女の、天然キャラのこまち先生だ。
こまち先生は、倒れている
「ほら! 泣きボクロがなくなっとる」
って、
「(ほんとだ……)」
わたしはつぶやいた。教室のスピーカーから声が聞こえてくる。
こまち先生は、今度は
「うん。
この一年で、三人のほくろがちょっと大きくなってたから、気になってたんや」
さすが、こまち先生。みんなのことよく見ている。
「とくに犬居さんは、よく目が赤く充血しとったから、気になっとたんや。右目だけやし、なんでやろ……? って」
「なるほど……つまりミコ様にも、ヒツジの鬼がしのびこんだホクロがあるってことですね?」
こまち先生はスピーカーに向かって言った。
「
「(あ、はい。左のムネが「チクン」ってしました)」
わたしの声が、スピーカーから流れると、こまち先生は、スピカーに向かってうなずいた。
「うんうん、多分やけど、
こまち先生は、
「ねえ? ミコちゃんは、鏡の中から出してあげていいよね?
あと、変身も解いてあげた方がいい?」
ミコ
「うん、よろしく!」
そして、すぐにまたふりむきなおすと、すぐにまた三人でコソコソと作戦会議をつづけた。
「りょーかい♪」
「♪
ミコ
ミコ
途端にあおみどり色の部屋がきえた。そしてわたしは、教室に立っていた。
目のまえに、フワッフワのお姫様みたいな水色のワンピースを着た、
「おつかれさま。疲れてない?」
「うん。大丈夫……かな?」
本音を言うと、ちょっと頭がぐるぐるしている。
だからね、きっとこのクラスではもう、イジメはおこらないんじゃないかな? だからね、
わたしは、頭をぐるぐるさせていると、
「えー、イヤだ! やりたくない!」
って、お父さんがさけんだ。体をくねくねモジモジさせている。なんだかちょっとはずかしい。
そんなお父さんに、こまち先生がため息をつきながら言った。
「しゃーないじゃないですか、師匠しかおらんのですから。それにただの考えすぎやと思いますよ。ウチが聞いてきます。
そう言うと、こまち先生は、スタスタと歩いて教室を出た。
わたしは、こまち先生を追って教室の外に出ると、こまち先生が教室のトビラをピシャリと閉じて、こそこそと話し始めた。
「ちょっと、聞きたいんやけど(こそこそ)……
「お父さんの前で? うん。平気だよ? なんで?」
「なんや師匠が、イヤがっとるんや。(こそこそ)
「お父さんをキライになる?? なんで??」
「……なんや、はずかしがっとるだけやと思う。(こそこそ)
ま、ええわ。
そう言うと、先生は、教室の戸をガラリとあけてニコニコにながら言った。
「
「ええー、はずかしいよぉ……」
お父さんは、くねくねモジモジしている。
「とっとと覚悟をきめてください!
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