第9話 イヌの鬼のなかよしグループだよ。
教室はおおさわぎになった。
とうぜんだ。だってクラスで一番勉強ができて、かなりカワイくて、クラスのリーダーの
ツノの生えた、まっくろでおっきな犬は、おっきな声でさけんだ。
すると、
わたしは、ムネが「チクン」とした。
「なるほど、このふたりに取りついてるんだ♪」
ミコ
そんなふたりの攻撃を、ミコ
「サポートするぜ!」
凪斗くんは、ポケットに手を突っ込むと、青色のちっちゃなガラスのビンを二本とりだした。
そしてキャップを「パキリン」とあけると、ゴクゴクと飲んで、
「ブッ!」
「ブッ!」
っと、
「ギャアアア!」
おっきなドラゴンの鬼を出した
「どんなもんだ!」
凪斗くんが、得意そうに言った。すると
「バカ、早すぎるって、教室がめちゃくちゃになっちゃうだろ!
バトルステージができるタイミングに合わせてくれよ!!」
って、ものすごく怒られた。
「あ、そっか! ごめん!!」
「大丈夫、大丈夫、どうせボクにしか攻撃してこないはずだし。
ミコ風水くんは、ニコニコしながら手を「パン!」とたたいた。そして、たたいた手をひろげて「くるりん」と回転した。手からキラキラと光があふれた。すっごくキレイ。
おととい、トラの鬼のパンチを受け止めた
「鬼さんこちら♪ 手の鳴る方へ♪」
ミコ風水くんは、教室の窓から「ヒラリ」と飛び降りた。
え、だからここ二階だよ!?
そう思ってたら、モニターにうつったミコ
ミコ
「鬼さんこちら♪ 手の鳴る方へ♪」
「なるほど!
「そ♪ そうすれば、バトルステージもいらないし、教室もこわれないでしょ?
ボクが引きつけて
「まかしとき!」
答えたのは、
「それやったら先生のとくいわざや!
こまち先生が、呪文みたいな、必殺技みたいな言葉をさけぶと、
つづけざまに、
そして、今度は一気に、クラスみんなの頭のうえに、「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽんっ!」って真っ赤な花が咲いた。
そして、クラスのみんなはバタバタとたおれた。
「
こまち先生は、アイドルみたいに「シャキン」って決めポーズをとった。もう何度も何度も、やったことがあるみたい。
「こっちは、先生にまかせて、
「はーい! 鬼さんこちら♪ 手の鳴る方へ♪」
ミコ
ミコ
「はーい! 鬼さんこちら♪ 手の鳴る方へ♪
こわくないよ〜!
ちょっと、乗り物酔いする人にはつらいかもだけど」
イヌの鬼と、ドラゴンの鬼と、ウシの鬼は、ミコ
「オレにも戦わせろ!」
それを追いかけて、
「
こまち先生がさけぶと、
「いいえ。ぼくは、こっちに残ります。まだ、最後の一匹の鬼を見つけていない」
「そやった! あ、でもなんで? 先生の
こまち先生は首をかしげた。
「そうなんです。カンがするどい
わたしは、鏡の中のあおみどりの部屋で、そんなふたりを、ずっと見ていた。
言わなきゃ。鬼がどこにかくれているのか、きっとわたしにしかわからない。
わたしは、勇気をだして、言った。
「……わたしが知ってる」
わたしのこえは、教室の放送スピーカーから流れた。
(どういう仕組みなんだろう……)
「え?」
「え?」
モニターに、おどろく
わたしは勇気を出して言った。
「
学校に来れなくなった
そして、最後の一匹は、大親友の
「ええ!?」
「ええ!?」
おどろくふたりに、わたしはありったけの勇気をふりしぼっていった。
「最後の鬼は……わたしの中にいる」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます