通院生活
バブみ道日丿宮組
お題:私の医者 制限時間:15分
通院生活
毎日病院に通ってるともはや入院したほうが早いんじゃないかと思う今日このごろ。
でもまぁ……入院するほどでもないって専属の医者が言うんだから……でもどうだろ?
「兄さん。今日はあたしもついてくから」
「妹同伴の通院ってあんま美しくなくない?」
「そうですか? 母とは行くじゃないですか」
不満げな妹はぷくぅと膨れる。
「あの人だけいくのはずるいです。あたしも兄さんの看病したい、したい、したい!」
「ま、待て駄々をこねる年齢じゃないだろ!」
俺の言葉でより一層膨れてしまった。あまりの膨らみで爆発してしまうんじゃないかと少し恐怖した俺は、
「わ、わかった。母さんとは行ってるからな。妹だって同じだよね?」
「うん、うん、うん♡」
満足そうな笑みが生まれた。
それから通院の準備といって妹はあれでもないこれでもないと服を何度も着替えた。
「おしゃれする必要はないだろ」
「だって兄さんの先生に会うんだよ。よく思われなきゃダメじゃない?」
ダメなのか?
何を思ってよく思われるのかはさておき、
「俺は一個前の服が似合ってると思うぞ」
これ以上時間がかかるのは少し面倒なので口を挟む。
「そっかこれだね。ちょっとまってね」
待つのはいいのだが……なんで妹は俺の前で堂々と服を着替えるのだろうか。下着の食い込み具合まできっちりと目に焼き付いてしまいそうだ。
いや……いやさすがにそれは兄としてまずい。
「兄さん。ちゃんと見ないとえっちだからね?」
「見るのがえっちだろ!」
うふふとくるりと一回転した妹はぱっぱと着替えて、
「ほら、行きますよ」
俺の腕に抱きついた。
「通院ってわかってる……よね?」
「うん、ずっと一緒だよ? あのへんな機械に入るのも一緒だからね」
へんな機械……?
「液体水槽のことか?」
「そう。お互い裸になって抱き合おうね」
ため息が漏れる。
二人入ったら検査にならないだろう。
「母とはやったって聞いたよ」
「……どこから漏れたんだ」
ふふと笑う妹はそれ以上答える気はないようだ。
確かに母さんと一度だけ遺伝子情報の検索のために入ったことはある。
が、それはあくまでも医者のいうことであってこちらからそうしてくれと言ったわけじゃない。
ましてやーー妹は妹であっても妹ではない。
「あたしの兄さんは誰にも渡さないんだから」
病院にたどり着き妹の願望どおり、一緒の機械に入って俺は検査を受けた。
妹が嬉しそうに身体をぺたぺたしてきたのでいろいろ反応しそうで怖かった。うん、妹も女の子なんだなって再認識したよ。
で、今日も検査は問題なかった。
少し興奮状態であるということは除いて。
通院生活 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます