実・力

俺は夢をみてるのか?


まさか俺が、彼女いない歴=年齢の俺が。


おんにゃのこと同居しているだとぉーーー!!??


「まだ夕飯できそうにないからちょっとまっててねぇー。」


「あ、わかりましたぁー。じゃあ、次郎、その間に特訓しとこうよ。」

特訓?何言ってんだ?


「何その顔〜。まさか、またサボろうとしてるの?ダメだよ?ちゃんと特訓はしなきゃ。例え、今世紀最高クラスで卒業した超エリートだからって、そんな手抜いちゃぁ。」


「ふぇ?!ちょ、ちょっとまて!い、い、今なんて言ったんだ??」

ちょ、超エリートって...


「もしかして、自慢?次郎やらしー。」

プイッとそっぽを向かれる。口を膨らませて、可愛いやつだ。


「って、おいおい!自慢とかじゃなくて、マジなのか!?俺が.....超エリートってのは?」


「性格悪いねぇ、次郎は。ふんだ。どうせ私は通常クラスですよーだ。」


「..............................」


来た!!!!!!!


始まった!!!


異世界転生......成功!いや、大成功だ!


今世紀最高クラスの超超超エリートだと!?


最高じゃねえかよ!?どこぞのラノベみたいな設定じゃなええかよ!


「よっしゃ!なんだか特訓したくなってきたぜ!シイナ!やろーぜ!」


「うん?急にやるきになったねぇ。感心感心。じゃあ、はやくやろ!」


そして、俺たちは街にある広い空き地に来た。


「よぉーし、ここならあんまり人もいないし大丈夫だよね。それじゃあ、調節から始めようか。」


「調節?んだそりゃ?」


「何言ってんの?ぶつけ合いだよ。ぶつけ合い。ふざけてるの?」


「ふざけてるっておま...!」

そうか。思い出したぞ!

調節ってのは、特訓の最初にやる準備みたいなもんで、お互いが同じレベルくらいの魔術をぶつけ合って、打ち消しあうウォーミングアップみたいなことか。


「あ...ああ!思い出した。思い出した。調節ね。はいはい。了解了解!」


「もぉ、しっかりしてよ〜。それじゃあ、最初はレベル10くらいからでいいよね。」


レベル10?どんくらいなんだ?

まっ、身体が覚えてんだろ。


「あぁ!いいぜー!」


「それじゃあ、いくよぉー!」

右手を前に突き出し、魔方陣を出現させる。


っと、こっちもやんねぇと。


「....はぁっ!」

気合いを入れて右手を前に出し、魔力を込める。

だが。

込めても込めても、シイナみたいな大きさにはならず、ずっと手のひらサイズの魔方陣しかできない。


「3カウントでうつよー!いいー?」


「さーん!」


「はっ!?ちょ、ちょっとまて!?」


「にー!」


ダメだ!聞こえてねえ!!!


「いーち!」


ああ!?嘘だろ?

いやまてよ?超エリートならこのくらいのサイズでシイナ程度のやつと同等なんじゃないか?

超エリートだし、多分そうだろ。

なんたっておれは、


この世界の、主人公なんだから。


「ぜろー!」


刹那。


俺の意識は、はるか彼方へと


飛んでいった。



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