12 好き
その後二人で水族館に行った。
高校生の頃のお台場デートのみたいな、でも二人とも大人になっていて、そして二人で過ごす時間は楽しかった。
彼は明らかにデート慣れしていてエスコートが上手だったし、私も彼に不信感を持つことはなかった。お互い大人になっていて、性格は丸くなっていた。
帰りに同じ駅で降りて同じ通学路での分かれ道、三坂くんは言った。
「もう一度だけ、俺と会ってくれない?」
そういって私たちはもう一度を何度でも繰り返した、私たちは卒業直前の最後の春休み、時間を見つけては二人で過ごした。
成就した恋ほど語るに値しないものはない。なんて私が当時好きな本に書いてあったがその通りだった。
私たちは映画を見て、カフェに行き、錦糸町で飲み明かし、毎日を楽しく過ごした。
だから、ねえ、そろそろ「好き」っていって欲しいな。
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