第1章-第1話-3【委員長と副委員長を決める】
LHRが始まると、早速自己紹介が行われた。一人ずつ自分の席の場所で立ち上がり、名前と趣味を話し最後にクラスのメンバーに一言と言う内容で、自己紹介が順番に行われた。
そして、自己紹介が終わるとクラス内の役割決めについての話しが始まった。
「それでは、クラス内の役割決めをしていきたいと思います。私が1つずつ役割とその仕事内容を説明してから、もししても良いなと思ったら挙手で私に知らせてください」
と松原先生は言ってクラス内の役割決めが始まった。
「ではまず初めに、このクラスの委員長を決めたいと思います」
「クラス委員長は主に、クラスの話し合いの時に司会進行をしたり、話しのまとめをしたりします。また、行事の体育祭や文化祭の各クラス代表の話し合いにも出席してもらったりするのが主な仕事になりますが、今から1分時間を与えるので、誰かやりたい人はいませんか?」
そう言われ、1分間の話し合いが始まった。
クラス内は少しザワザワとしなりながら近くの人と、「委員長やる?」「誰が委員長やるんだろうね」などと話し声が聞こえる。
また、僕の隣の席の男子が
「委員長、八戸君はやってみないの?」
と聞かれた。
僕は
「来年のために、内申点の点数稼ぎにやってみようかな」
と答えると
「マジで、内申点稼ぎだとしても俺なら絶対やらないわー」
そう隣の男子は言って、やるなら頑張れよと応援された。
僕はとりあえず「おぅ」とだけ答えると
「そろそろ委員長やりたいか皆さん考えましたか?」
担任の松原先生はクラス全員に声をかけて
「それでは、委員長やってもいい人は手を上げて教えてください」
と言った。僕はつかさずすぐに手を上げると
「おぉ、2人手が挙がったね、さてどうやって決めようか」
松原先生はそう言って珍しそうな顔をして言った。
その声につられて周りからも
「えぇー」「まじでー」
などの声が上がった。僕は周りの反応につられ、一体誰が委員長に立候補したんだろうと思い辺りを見回すと、この学校で有名な七星真白が委員長に立候補していた。
それに彼女に告白をする男子生徒も多数いて、1度振られても再度告白する人もいるほど、彼女は男子生徒からかなり人気があり、多くの男子生徒から好意をよく持たれている。またその大勢の中の1人に、僕も入るが、大勢の人の好きと、僕の好きは少し違っているし、彼女と僕は1度3年前に出会っていた。
あれは今から3年前の話しになる。僕は高校入学前に1度彼女と会ったことがあった。と言っても話したことはないし、遠くから僕が見ていただけなので、きっと彼女も僕のことを知らないだろう。
まだ僕がピアノを続けていた中学2年生の時に、彼女(七星真白)と初めて出会った。僕が初めて出場した、西日本ピアノコンクールという大きな舞台で、演奏を終え、勉強のために出場していた人達の課題曲を客席で聞いていた時に、彼女(七星真白)の演奏が始まった。彼女の演奏3年たった今でも覚えている。彼女の弾いた『ピアノソナタ 第 14 番 Op.27-2 嬰ハ短調「月光」より第 3 楽章』は、他の人が弾くものとは全くの別物に感じた。また当時、自分の演奏と比べものにならないくらい彼女の演奏はとても素敵だったことも、今でも鮮明に覚えている。
僕は一瞬で彼女が弾く演奏が好きになってしまい、彼女の演奏する曲のファンになっていった。
だが、僕は翌年ピアノを辞めた。自分の限界が分かってしまったことと、日々の練習の辛さから僕は逃げてしまった。そしてもう彼女とも会うことは無いだろうと思っていたが、彼女との高校での再会はまさに意外で驚いた。
そんな彼女がうちのクラスの委員長に立候補しているので、きっと彼女の方が委員長に向いているだろと思い、僕はすぐに上げていた手を下げるが
「それじゃ、八戸君と七星さん2人でジャンケンして勝った方が委員長で負けた方が副委員長ということで決めましょうか」
と松原先生は言った。
僕はもう辞退するとも言えず、結局ジャンケンをして【勝って】しまった。
ジャンケンに勝った僕を先生は
「これから1年間、このクラスの委員長は八戸君で副委員長は七星さんに決まりました」
「これから、1年間よろしくね」
先生はそう言って、副委員長の仕事内容の説明始めた。
「それでは、七星さんのお仕事は、委員長の八戸君のサポートと、毎日クラス日誌を付けることと、クラス内の話し合いの際に書記として仕事をすることかな~」
松原先生はそう説明すると、次のクラス内の仕事説明と誰がこの仕事をするか、また考える時間が始まった。
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