第2話
「ふははは! どうだ! 俺の力は!」
男は両手を広げ、自分がここにいるぞと言いたげな顔で笑う。
「恐怖しろ!
古賀はそう叫び、壁に向かって拳を前に突き出す。
拳は
人々の恐怖と悲鳴が混合している中、スロウスの目に映るのは自分を大きく見せるように演出している彼の姿だった。
「あいつ、能力に頼り切ってる」
「そうね、自分に酔うほど
ラストがそう言うとスロウスが「そうだな」と答え、二人は別れるように離れる。
面倒臭いなぁ。
スロウスはそう思いながらゆっくりと古賀に近づいていく。
古賀も周囲と行動が違うスロウスを見て気づいたのか「何のようだ?」と聞いた。
ショッピングモールの渡り廊下を過ぎると、スロウスの背後に浮かぶ二本の剣。
「能力者!?」
一本の剣が
「まずは手始めにっと——」
スロウスは人差し指を振ると、橙色の剣が古賀へ一直線に向かっていく。
「その程度の攻撃!」と言い、古賀は正面に向かってくる剣の前に拳を突き出した。
突き出された拳は何もない空間を殴ったが、殴った空間は
その揺れる空間に剣はぶつかり、そのまま弾かれた。
「空間が揺れた?」
「ふーはははははは、どうだ俺の能力は!」
そう高笑いする古賀を死んだ魚のような目で見るスロウスは、彼が何の能力かを冷静に考えていた。
「なんだその目は……ムカつくなっ!」
拳を上から下へ振ると揺れる空間が勢いよくスロウスに向かってくる。
スロウスはもう一本の剣でその攻撃を防ぐ。
空間を波紋のように揺らし剣を防ぎ、
『
スロウスはそう思いながら、人差し指を振る。
二本の剣が古賀に向かっていくが「一本だろうが二本だろうが、一緒だぜ」と言い、拳を突き出し、跳ね返す。
「まぁ、跳ね返されるわな。それじゃ——」
二本の剣は飛ばされるが、空中に止まり、橙色に発光し始める。
「おおー! これはやべぇのが来そうだなぁっ!」
古賀はそう言う中、スロウスはこう考えていた。
剣を振ると光線が発射される。
一本目の光線は避けられる。
避けられた先にもう一本の剣で光線をだし、また避けれる。
その避けた瞬間、隠れているラストが狙撃し、相手は顔面に風穴が空き、ガラスになる。
そんな感じか……。
剣は振り下ろされ、橙色に輝く光線は放たれた。
古賀は地面を蹴り、後ろに避ける。
古賀は空間に手をふれ、これ以上移動できないように、見えない波の壁を作り、光線から免れる。
「そして、ラストの狙撃で——ッ!?」
スロウスは古賀の顔を見て、目を見開いた。
古賀はスロウスを見てニヤリと笑ったのだ。
「まさか……ラス——」
時すでに遅し、ラストの銃弾は発射されていた。
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