第3話
咲夜が引っ張られ着いた先は校舎裏のあの古びた小屋があるところでそこで先輩は立ち止まると咲夜の方を振り返り壁側に追いやり世間で言う壁ドンをしたのだった。
「ねぇ_」
「何でしょうか?」
咲夜は対して驚きもせずほぼ真顔で答えると先輩は少し驚いたような表情になり。
「へぇ_赤くならないんだ?」
「へ?」
咲夜に向かって質問するが咲夜は意味がわかっておらず首をかしげ。
「何で赤くなる必要が?ていうか貴方誰ですか?」
と先輩に不思議そうに尋ねたのだった。
「あーまだ名前言ってなかったね。俺は3年の一ノ瀬海斗、君は?」
海斗はニコッと微笑むが咲夜はスルーして自己紹介をして。
「私は桜城咲夜です。というか離してください」
まだ壁ドンされたままだった為離してくれるように頼み。
「あーごめんごめん」
海斗は以外にもあっさり咲夜を解放し、何歩か下がると。
「それじゃーね」
そう言い去っていったのだった。
「何なのあの人」
変な人に絡まれたな〜と思い咲夜を帰ろうと校舎裏を去り下校しようとした。
そして帰ろうと校門をでて空を見ると既に時間は妖がうろうろしはじめる夕方になっており咲夜は急いで帰ろうとして。
(昔から妖が見えるけど妖って普通の人は見えないみたいだから妖に絡まれやすいんだよね)
しばらく小走りで走っているとふと1つの小さな家が目に入り。
(あれ?あんな家いつの間に立ったんだっけ?)
見覚えがない家に不思議に思い近くまで行ってみるとそこはどうやら店のようで。
「sunrise?」
聞いたことない名前のお店だなと思い入ってみると。そこは和と洋の雰囲気が混ざった不思議な感じの店内で思わず咲夜は見とれて。
「あら?こんな店に人なんてめずらしいわね」
急に後ろから声がして咲夜は驚き振り返ると1人の綺麗な女性が立っており。
「綺麗_」
思わずそう呟くと、相手に聞こえていたらしく。
「あら嬉しいわ。貴方はどうしてこんな所に?」
女性は咲夜にそう訪ねると。
「あ、こんなお店いつの間に出来たのかな?って不思議に思って___もしかしてもう閉店の時間だったりします!?」
「全然大丈夫よ。何せ人が来るのが珍しいから少し驚いちゃって、それにここが見えるなんて_」
(え?どういう事だろう_)
「あ、あのどういう___」
「あー!!店長いらしてたんですね!」
咲夜が聞く前に店の奥から1人の女性の声が聞こえてきて、思わず振り返ると見覚えのある人がたっており。
「もしかして同じクラスの天霧さん?」
「あ、もしかして桜城さん?」
その人物はクラスメイトの天霧結で互いにえ?と言う混乱した表情をしていたのだった。
「もしかして桜城さんも見えるの?」
「見えるって?」
どういう事かと咲夜が聞こうとするとそれよりも早く先程咲夜と話していた女性が2人に声をかけ。
「そう、その事について話そうと思ってたのよ。その前に貴方の名前教えてくれる?」
「えっと桜城咲夜です」
「素敵な名前ね。私のことは店長と呼んでくれればいいわ」
「店長さん__?」
「さんは付けなくていいわよ」
店長は咲夜に向かってそう言い微笑むと座りましょうかと店の奥のソファをさして提案し。
「お邪魔します」
「店長!私お茶入れてきますね!」
結はお茶を入れに更に奥へ歩いていき。
「え、えっと見えるとは何のことでしょうか?」
「そうね。咲夜さん貴方、妖が見えるわね?」
「っ!?な、何故それを」
「ふふっ。それはこのお店は妖が見える人、もしくは悩みを持っている人しか見えないお店だからかしらね?見たところ何か悩みがあって来たって感じではなさそうですし」
咲夜は店長の話を聞きながら正直に話そうか迷っていた。
(妖が見えると言ったら昔みたいに気持ちが悪いって言われるんじゃ__)
悩んでいるような咲夜の表情を見て店長は優しく微笑み。
「大丈夫よ。私も妖が見えるから、もちろん結さんもね」
その言葉を聞き咲夜は顔を上げ本当ですか!?と言いたげな表情になり。
「本当よ。咲夜さん貴方って顔に出やすいのね。ふふっ」
そう店長が微笑むと咲夜は照れたように笑い。
「仰った通り私妖が見えるんです」
咲夜は妖が見えること、そのせいで昔いじめられていたことを簡単に話したのだった。
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