猫
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
段ボールの中捨てられた
痩せこけた猫のようだった
彼の代わりになれなくても
傘はさすためにあったから
痛みをシャワーで洗い流して
化粧で綺麗になった君は
どこに消えていくのだろう
最後に君と一度だけでも
作り物の二人でいい
この町の空気に溶けて
並んで坂を歩いてみたい
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
コンクリートの焼けた音に
怯えるような彼女だった
彼の代わりが僕じゃなくても
大切な人は変わらないから
痛みをシャワーで洗い流して
誰より綺麗になった君と
いつまでここにいれるだろう
最後に君と一度だけでも
作り物の二人でいい
この町の茜色に染まり
何気ない話をしてみたい
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