書き直し1 傍氏オリジナル。

あの頃も、最近と同じ様な暑さが続いていた。

いつも、俺、蒼、翠、きお という同じメンバーでずっと遊んでいたのを覚えている。

怖いもの知らずの俺らは大人に注意されることなんてしょっちゅうで。

朝早くから夕方まで、笑顔が絶えること無かった俺らはいつも〝仲良し四人組〟と呼ばれていた。


––あの頃に戻りたい。

14歳になった俺らは〝仲良し四人組〟では無くなっていた。

何も出来ない、助けてやれなかった。

だが、困った時の神頼みとはよく言うものだ。

信じられない様な力でこの現状には転機が訪れた。

そな力は––


今日も二年四組は騒がしい。

中心の席周辺にはその元凶である様な奴らがいた。

クラスの頂点の女子たちだ。

女子に囲まれた中には、あいつが

きお がいた。

騒がしい女子達は語尾に小さい文字が入るであろう喋り方できおを笑っていた。


「ねぇ七詩乃、ノートみして!」

女子グループの有村がきおのノートを取り上げた。

––次の瞬間、綺麗にまとめられてたであろうきおのノートは有村のカッターによって紙屑となって宙に舞っていった。

グループでは笑いが巻き起こる。

きおは絶望の表情で下を向いていた。

こうなることは薄々分かっていた筈だ。

俺にも、クラスメートにも

でも、誰も彼女らを止められなかった。

誰もが傍観者としてその場を放っておいた。

気味の悪い笑顔と声が教室からは絶える事はない。


「朱音..」

翠が震え、強張った声で俺の名前を呼ぶ。

蒼は、拳を握り下を向いていた。

悔しいのだろう。

いつも一緒にいた親友をどうすることもできないことが。

勿論俺もそうだ。

しかし、俺らがいくら心配しても、きおは俺らを巻き込みたくないからと

『絶対に近づいちゃ駄目』というのだ。

俺らは無駄に近づいてきおの意思に背くわけにはいかない。

でも、このままでは––

チャイムが鳴る。

皆が急いで席に着き、号令が始まる。


最初はまだ気づいていなかった。

あの不思議な力は後に

––〝呪い〟と呼ばれる様な力

だということに。







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