第11話 地雷客2
ある日、俺はロリ専門店「アリス」のヘルプに入っていた。12時を過ぎ順当にいけばクララさんという人気嬢のキャッチに向かうことになっていた。
店から着信が入る。電話の主は店長の井出さんだ。
「羽根田君ごめん、クララさんのキャッチは俺も一緒に行くね。」
「わかりました。どうかしたんですか?」
「詳細は行きながら説明するから。」
というわけで事務所に戻り店長を乗せる。
車が走り出すと、店長は説明を始めた。
「クララさんから、ラインが入ったんだけど、どうやら無理矢理本番されたみたいなんだよ。」
「マジですか!?」
デリバリーヘルスとは?
女の子がホテルや家に来て性的サービスを行うお店・・・、まあ大人であれば大体これくらいの理解はあると思う。業種やお店によって細かいサービス内容は変わるし、それに付随して禁止事項なども店ごとに違ってくる。
シンデレラグループでいえば、いばら姫はお客さんから触ることは禁止だし(そもそも目隠ししてて皮の手錠で拘束されてるので触れないが・・・)、眠り姫ならおさわりは追加料金になる。
ただ全国津々浦々、どこのデリヘルでも禁止されているルールがある。そう、本番(性器の挿入)行為だ。これは法律で定められているので、ばれればお店にも営業停止などのペナルティーが発生する。
ただし、あくまで建前の話で、中には追加オプションで本番行為を行っているキャストもいるし、お店も確認のしようがないので黙認状態だ。
しかし、この追加オプションのあるなしはキャストの判断だし、多くのキャストは本番NGで仕事をしている。ほとんどのお客さんはマナーやルールを守って遊んでくれているのだが、中にはそれが出来ない客もいる。
そう、本番の強要である。
基本的には「入れさせて?」くらいのお願いならキャストも優しく断るのだが、
隙をみて入れようとしたり、中には押さえつけてことに及ぼうとする不届きものもいるわけだ。
「クララさんに普通にしててもらって、俺たちが乗り込むことになる。幸いビジホだからクララちゃんが出るときにドアが開いたら部屋に乗り込むから。」
「わかりました」
大変なことになったなあと思っていたら井出店長から衝撃の一言。
「羽根田君も一緒に来てね。」
「まじですか!?」
「だって暴れたりしたら面倒じゃん。羽根田君ごついから、相手もビビるだろうし。黙って横にいるだけでいいからさ」
正直、業務外のお仕事なんですが・・・。まあ、質の悪い奴だったら困るしね。
井出店長も強面ではあるが、一人より二人で対応したほうが良いだろう。
そういうわけで、地雷客の待つビジネスホテルに二人での乗り込むことになった。
つづく
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