第5話 ついに暴露するときが訪れた

私は横領女 

社長の前ではマルチ商法で買った強力洗剤で

タダ働き床磨きをして 会社の立場を考える会社奴隷を演じ

その実 裏では二重帳簿を作成し

売上をこっそり いやごっそり無断拝借していたの

今日で三日目の記念日

今までバレなかったから これからも大丈夫よね


ついに 想定外の出来事が起こった

なんと今月から社会保険の金額が

大幅に変更することを うっかり忘れていた

これで私の二重帳簿は もう通用しなくなる


どうしよう 覚悟をきめたわ






社長に呼び出され 罵倒される

その前に私は姿をくらますと決めたわ

女ひとりの逃避行


とりあえず都会をでて

昔 母と一度だけ旅行した南の島へ行こう

母は このことを知ると悲しむだろうな


おっと 今はそんな感傷に浸っている場合じゃない

荷物をまとめなきゃ

嗚呼 神様ヘルプと言いたいところだが

神様は今まで私が自首するのを

忍耐して待ってくれてたに違いない

ねえ神様 今度は私に寄り添って

いつまでも一緒にいてほしい なんて甘いわね


嗚呼 天国から見放され 地獄行きだね

それでも最後の叫び 嗚呼 神様ヘルプ


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る