感情移入のできないキャラ作り?
いろいろな作品を読んでいると、キャラの大切さを痛感しませんか?
これはラノベだけでなく、一般文芸でも同じとは思うのですが。キャラに感情移入できなければ、物語に深く入り込めません。
面白くて、次から次へと読みたくなる作品と、読み続けるのが、ちと辛い作品。
その差はなんだろうか?
なんて、考えてしまいます。
第一に、書かれているキャラに魅力がなく、感情移入が難しい作品があります。
こうした共感できない嫌いなタイプのキャラでも、読ませる作品は読ませるってことがあるから、ここも一筋縄ではいかない。
キャラが大切と言っても、そこが難しい。
さて、根源的に感情移入のできない主人公の物語を読んでいると、不思議に思うことがあります。
なぜ、自分はこのキャラにイラつくのだろうかと。嫌いとまでいきません、ただイラっとするのです。それは会話の作り方だろうか。
敵役じゃなく、物語の主人公です。
(逆に敵役に思いっきり嫌なイラつく人物を配すると、主役が光り、物語にも深みが増して、さらに感情移入できるのですが。ざまぁ展開が人気あるのは、そういうのをやっつける爽快感ですよね)
しかし、主役が嫌な奴だと。
どうにもこうにも苛立ちます。いっそ悪に染まりきった敵よ、あんたたち、この主役、やっつけてくれたら爽快だ、なんて思うことがあります。
こういう作品は読むのが辛くなります。
そうは言っても例外もあり、よくできた作品は、たとえ主役が嫌な奴でも、読ませます。それは、ストーリーが秀逸だからでしょうか?
その例でいえば、わたしにとって「源氏物語」です。
光源氏は、容姿端麗で母の愛情に飢え、孤独に悩む貴公子です。
それだけにすれば、いいのですが。
周囲の女たちを軒並み不幸にしています。今ならモラハラ、セクハラに近い。
最悪なのは、父親の妻に執着して振られ、寂しさに泣きぬれる。そんなに悩んでも、一時間もしないうちに、他の女をくどいているんです!
そりゃ、ないでしょ。
お母さん、泣くよ。
自らの空虚を、愛してもいない女で満たそうとする、最低クズ男です。
おかげで、関わった女をみな不幸です。
もっとも愛した紫の上でさえ、悲しみのなかで死なせます。
恵まれた地位、容姿最高。
歌を披露すれば、あまたの学者も感嘆する。
なにもかも持っている男。
実は、前に書いた源氏物語への転生ものも、光源氏がどうも好きになれず、やっつけてみたくて書いた作品でありました。
それでも、「源氏物語」は、一千年の時を超えて愛される作品です。
主役が嫌な男でも、感情移入できるのは、なぜなのか、考えてしまいます。そして、同様に、主役が嫌な男で、全く感情移入できず、面白くもない作品との差はなんでしょうか。
その違いのひとつに、丁寧に描かれた感情描写かもしれません。
「源氏物語」は、登場人物の感情が見事に描かれています。嫌な男は愚かではあっても、そういう気持ちから、こういう行動をしているのだと理解できます。おそらく、これは紫式部が、当時のリアルを文章にしたからかもしれません。
一方、退屈な作品は、好きになれない主人公の行動原理が、まったく理解できないのです。感情が書ききれてないのが理由かもしれません。あるいは、書き方が一辺倒で共感が持てない。
それが、そうした作品の一番の欠点かもしれないと思います。
自分の書く作品に、この欠点がないか、すごく不安になることがあります。自作って、自分では見えないことが多いからです。客観性は、数ヶ月のちなら出てくるのですが。
ヒットするドラマや映画でも、悪役が主役になることはあります。
でも、彼、彼女たちは悪い奴ですが、嫌な奴じゃない。その上に、悪に染まった状況が哀れだったりして、理由に納得できれば、悪い奴にも感情移入して読むことができると思います。
(この点について、深く追求すると、炎上しそうで恐ろしい)
自作の主人公たちが、少なくとも愛されキャラになって欲しいと思います。どう書けばいいのか。これは日々、勉強の毎日です。
実は、公開予定の『ドラゴンノベル大賞』用の作品。
主役キャラが、あまりいい子じゃありません。言葉遣いも悪いですし、でも、嫌われないといいなと思っています。とても難しいのですが。
困った子ですが、愛されキャラにしたいと思っています。
今週末の日曜日(5/21日昼と夜)には公開できるのではないかと思っています。日数的に、締め切りの日にちを近づいていますので、最初は、二話公開予定です。
現在、7万文字弱。
うっわ、ミエを張っちまった。実際は、63000文字。これを7万弱って、正しい日本語かい?
前回、いろいろなご意見、すごく助けになりました。本当に、ありがとうございます。みなさまの作品も心から応援しております。
タイトルは下記になります。
【王朝流離譚】限りなく無慈悲な皇子の溺愛 〜超絶不憫系の主人公には、薄っぺらな、薄っぺらな、愛情なんて迷惑でしかない〜
https://kakuyomu.jp/works/16817330655694416935
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ところで、ドラゴンノベル大賞、参加者の順位が出ていますね。
その上位層の異次元のアクセス数や星の数に、メンタルをやられています。もう、最初から勝負がついてるようで、今更、ここに挑戦する意味があるのかしらん?
でも、がんばります。
トライ&エラーを繰り返して、素敵なエンタメ作品を描けるようになりたいと思っています。
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