中国語と、中国事情と、その発音の混乱




 現在、連載しています『彷徨さまよえる王』。

 https://kakuyomu.jp/works/16816927863278356267


 ミステリー作品を書き、皆様のおかげで、いろいろ勉強になりました。本当に感謝ばかりです。ありがとうございます。


 いろいろな方のご指摘を取捨選択しながら、さらにいい作品にできるように、努力しております。


 さて、今日もまた、素晴らしいご指摘をいただきました。

 中国語についてです。


 佐野心眼様より、以下のご指摘がありました。


【中国語で「食べる」は「吃」(発音はチー)となります。

 中国語といっても北京語(普通語)、上海語、広東語などなど地域によって全く異なるので、香港は広東語になると思います。

 ちなみに上海語で「吃」は(チェ)と発音しますので、おそらく広東語はさらに違った発音になると思います。】



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 中国は、とても広大で、多くの言語があります。

 日本にも方言があり、その地方独特の言い回しがありますが、しかし、中国語のように、まったく別言語というほどではありません。


 中国には「川を渡れば言葉が変わる」という諺まであるようです。


 現在の中国では、北京語が標準語(普通語)として話されているようですが、それさえも北京語イコール標準語ではないようです。


 先日、驚いた記事を読みました。現在、日本で放映されている華流ドラマや映画。

 ここに出演している俳優さんの声は、ほぼほぼ本人ではなく、声優さんによる吹き替えを使っているそうです。その事実を知ったときは、なぜと驚きました。

 これは標準語を使わなければならないという、中国当局の規定があるからだそうです。


 さて、わたしは、まったく中国語を話せないので、よくわかってないのですが、ミステリー作品『彷徨える王』の最新話『血のつながらない兄 1』で、「食」をセッとルビをふり書いておきました。ネットの翻訳機能で調べた結果です。


 中国語で“食”は「食べ物」という意味、「食べる」となると佐野心眼さまのご指摘通り、日本人には馴染みがない単語、「吃」になるようです。


 一方、日本語で「吃」を辞書で引くと「どもる」という意味で、「喉につかえる」という意味にもなります。これは中国語の「喫」の代替字が、日本では簡単な字「吃」になったからです。


「吃」は、本来の中国語では全く意味がちがい、「食べる」の意味になるのです。面白いですよね。混乱もしますが。


 日本語は面白いと思うことがあります。

 西洋から、東洋から、いろいろな言語を取り入れ、日々、進化しながら言語として使っている。日本語は、まるで『日本語』という生き物のようです。


 それゆえに、わたしはよく混乱します。

 とくに、「喫」が「吃」になり本来の言葉と全く変化してしまったように、英語圏からきた言葉も、まったく本来の言葉と違っている事が多い。これは英語なだけに困ってしまうことが、よくありました。


 英語を話す時、

 例えばですが、「この香りはいいね」という意味で、「flavor(フレーバー)」を使ったことがあります。それで、意味を間違えて伝え、理解してもらえませんでした。


「flavor(フレーバー)」は日本語では、香水の“香り”という意味で使いますが、英語では、“味”という意味で「taste」と同義語です。

「この香水、味がいいね」なんて英語で話してしまったんです。

 いや、香水、わたし食べないから。


 ほかにも、ふっと思い出すだけで、こうした英語もどきは多い。日本語のクレームとか、テンションとかは、本来の英語の意味とは、まったく違っており混乱します。


 

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 さて、『彷徨さまよえる王』の登場人物ジオンは香港出身ですから、広東語を使います。


 というわけで、文章中の食を「吃」に変更しました。

 ここで問題です。広東語でどう発音するかです。

 翻訳機能で調べてみますと、チェとシェの間のような音が聞こえました。

 それで、本文では、シチェとルビをふりました。正しいのかどうか、ちょっとだけ不安です。


 

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 佐野心眼さま、本当に、ありがとうございます。

 佐野心眼さまの代表作は下記になります。物語は、武蔵野台地の片隅に住む一匹の狸の物語です。うん、わたしか、いえ、違います。

 

『生獣語 (ikemonogatari)』佐野心眼さま作

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054904030049

 

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