道具の作成2

 次にシャロンの対策を。冒険者ギルドで買ってきた魔石をキレイな形になるよう削っていく。それ用の道具も揃っている。ペンダントの台座にはまるように、仕上げていく。


 それから魔石の中に魔方陣を転写していく。魔石にある魔力に、層があることを発見して、その間に魔力で描いた魔方陣を書き込む。魔力の層と層の間に書き込めるのだ。魔力のマトリックスがあるっぽい。そこに書き込む技術はグリじいと古代魔法を研究しているときに出来たことで、他には出来ないと思う。普通は台座に魔方陣で、魔力を魔石から繋いで取るようにするはずだ。


 それから魔石の中に魔方陣を転写していく。魔石にある魔力に、層があることを発見して、その間に魔力で描いた魔方陣を書き込む。魔力の層と層の間に書き込めるのだ。魔力のマトリックスがあるっぽい。そこに書き込む技術はグリじいと古代魔法を研究しているときに出来たことで、他には出来ないと思う。普通は台座に魔方陣で、魔力を魔石から繋いで取るようにするはずだ。


「シャロン、手を出して」


 素直に出す手の上にペンダントを置く。


「ジッとしてて。レコード」


 短詠唱でシャロンの魔力を記録していく。魔方陣を出して、魔力の記録部分を確認、書き換わっている。


「じゃあ、発動したいときの言葉を決めよう。助けてが言いやすいくていいか」

「助けてで発動するのですか?」

「そう」

「もう少し長く、助けてランス様で登録しましょう。助けては何もなくとも言いそうです」


 本人が使いやすいように決めてもらえればいい。登録作業に移って、言葉を言ってもらう。もう1度魔方陣を展開して、言葉を記録していることを確認。


「これでシャロン用の結界ペンダント。さっきの言葉を言えば魔石の魔力がつきるまで結界が守ってくれる。緊急の時は使うんだ」

「わかりました」


 結構時間がすぎていて、夕方になっていた。夢中になりすぎた。自分で買ったものはマジックバッグへ。受付の人に中の道具の確認をしてもらった。マジックバッグに間違って入っていなかったか確認のためだ。しばらく待って、道具が全部あるとのことだったので魔道具ギルドをあとにした。



「ちょっとは勉強しておきなよ」

「ええ?歴史はわからないけど」

「午後からはちゃんとするんだよ」


 入学試験の勉強を全くしていないことにベイジーンが感づいてしまった。朝食を取ったあとに冷ややかな目を向けられながら、商業ギルドに向かった。


「いらっしゃいませランス様、本日はどういったご用件でしょうか?」

「自分のマジックバッグの登録がどうなっているのか確認したいんだけど、あとメイドのシャロンに大金貨3枚分ぐらい持たせておいて」

「では、シャロン様はこのままで。ランス様は別室にご案内します。少々お待ちください」


 受付では大金貨3枚の両替を行っていた。全てを金貨にして、銀貨に両替。そのあと銅貨に両替していった。結構な量の硬貨をマジックバッグに収納していった。


「そちらはマジックバッグですか?」

「はい、昨日ランス様から使うようにと」

「登録されているのでしょうか?ランス様、登録は?」

「昨日作ったから登録もよろしく。商業ギルドで登録するなら問題ないよね」

「・・・・・・なんですって!!職員は今聞いたことを極秘事項とします。ギルド長~!」


 周りは職員しかいなかった。受付嬢は走って奥に行ってしまう。残った職員みんな苦笑いを浮かべている。よくわかっていない俺とシャロンは、そこで待つしかなかった。


「マジックバッグを作ったのがいけなかったのでしょうか?」

「そんなことないはずだけど。グリじいから魔法使いが小遣い稼ぎに作るって聞いたことある」

「グリじい様のいう魔法使いとは上澄みの更に上澄みなのではないのですか?」

「わからない。グリじいはすごい魔法使いなんだけど」


 受付嬢が戻ってくるとギルド長室に案内される。リクッターさんがいて、マジックバッグを登録するための板みたいなのが置いてある。


「それでランス君、何を作ったって?」

「マジックバッグと結界のペンダント」

「どこで作ったんだ?」

「魔道具ギルドで、買い物して場所借りて作ったんだ。おかしいことはしてない」

「それでギルドへの登録はしたのかい?」


 してないねと言うと職員を走らせた。


「ペンダントを少し見せてもらってもいいかい?」

「シャロン、見せてあげて」


 ペンダントをリクッターさんに渡して、ルーペを取り出すと魔石の中を覗いている。


「付与師ギルドにも連絡を。こんな付与は古代遺物でしか見たことがない」


 頭を抱えてしまった。本部長を呼んでくると部屋を出て行った。


「そんなに大騒ぎするほどのことなのかな?」

「マジックバッグ自体が貴重品なので、作れるだけでもすごいのではないでしょうか?」


 騒いでいるわけがわからない。グリじいも自分のマジックバッグは持っていたし、ティワズは自分で取ったものだったかな。


「久しぶりに呼び出されたらランスか。それで何が起こっているんだい?」

「ランス君がマジックバッグを作ったのと、高度な付与魔法を施した魔石のペンダントを作っていたので、登録していないギルドに確認を走らせました。本部長にも1度ご自分で確認されたほうが良いと考えてお呼びしました」

「確かにランスの作るものは確認したいね」


 机の上に置かれたメイド用のバッグとペンダントを確認している。


「ふむふむ、どちらも素晴らしい出来映えのようだね。それでこのマジックバッグはどのくらい入るんだい?」

「さあ?作ったばかりだし、わからないよ。登録とこっちのマジックバッグも登録の確認をして欲しい」

「どうしてだい?」

「あー、正直に言うと持ってたマジックバッグの魔方陣を一部書き換えた。全部教えてたんだから、やってよ」


 シーラさんは指で頭の側面をさすって、リクッターさんは腕組みしたまま固まった。誰も何も言わないので、シャロンを見ると顔が引きつっていた。


「わかったよ。わかった。まずはマジックバッグの登録だ。確認からしよう」


 本部長が動き出して、バッグとリュックの確認から。どちらも登録されている状態のままということだった。一安心。

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読んでくれてありがとうございます。

☆や♡を恵んでください。お願います。

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