マクガヴァンとの再会2
「それでは始めよう」
「スキルはなし」
「いつも通りじゃ」
木刀の感覚を確かめて向かい合う。どちらからともなく、開始に1合、2合と確かめながら打ち合う。一緒に行った人達は見学にまわっている。おじいちゃんのファンなのか、人気なのかぞろぞろと人が多くなっている。
「他に気を取られるとは寂しいのう」
「まだ、準備運動。そろそろいくよ」
「むっ!」
背は伸びてないけど、体は少しずつついてくるようになった。まだまだだけど、スキルなしならなんとかなるはずだ。
天高く木刀が舞い上がる。
「はぁ、はあ」
こんなものかな。会場は盛り上がっている。
「いつも通りだ。さすがにもう年だね。引退すれば?」
「まだ鍛えねばならんからのう。せめて誰かワシを越えてもらわんと」
地面に突き刺さった木刀を手に取る。おじいちゃんは思わずスキルが出ている。集中すると出てしまうのはしょうがない。
「まだする?」
「帰って見直しておかねばならんので1本でええ。次は学園に来たら頼む」
「祝福受けたら無理だよ。殺して欲しいなら構わないけど。それに教えるならLv.10は向いてない」
「ならば、もう少し付き合ってもらおう」
確かめるような動きから、スキルを生かした十二分な速さになる。意図的にスキルを抑えていたはずなんだけど、打ち合うたびに押されていく。
「こちらもスキルを使うよ」
距離を取って宣言する。剣すら振らずに、風刃がおじいちゃんに向かう。木刀を捨てると自分の剣を抜いて、魔法を相殺する。魔法が切れる剣か。高級品を持っている。
「いい剣だ」
上位属性を混ぜながら、相手をしていく。技は使ってこない。何を考えているのか?
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