販売制限の影響2
昼過ぎにポーション作りを終えると帰り道、貴族街警備隊によってみる。巡回に出ているのだろうか?誰かいないかな?
中を進んで、訓練場に行ってみると何人かとマルコ副隊長がいた。何人かと練習をしているようだった。
「マルコ副隊長、人を探しているんだけどリビーとロッティって人を探しているんだけど」
「あの2人に何か用なんですか?」
練習を中断してこっちに来てくれる。
「練習をしようっていう話をされて、いいよっていったから来てみたんだけど、どこにいるのか知らない?」
「エロイーズ様の書類の手伝いをしているはずですよ」
「ありがとう、行ってみる」
エロイーズのいるはずの建物に入って、部屋に向かう。メイドさんが部屋の様子を確認して、中に入る。
「来たよ」
「今日はどうしたんだ?呼ばないとこないのに、珍しい」
「そこの2人に呼ばれてきただけ。剣の指導をしてほしいとか。引いてもらったから、やってもいいかなって思ってきた。時間がかかりそうなら、先に体でも温めておくよ」
返事をして、2人はエロイーズに経緯を説明していた。
「それなら私も」
「いやだよ。力でゴリ押しで。打ち合えるだけの技術があるから練習しても意味がない。おじいちゃんは思わず力が入るぐらいだけど、力で解決しようとするからやらない」
「ずるいぞ、私だけ除け者にするなんて」
「最近も打ち合ったし、やってない人を優先してもいいはずだよ。見学までしかさせない」
一緒にやりたいと文句を言うエロイーズはちょっと子供っぽい。
「じゃあ、魔法が切れるようになったらね」
「そ、そんなの。木刀でできるはずないだろう。そういう武器でやればいいじゃないか。わざわざできない武器でしなくても」
「じゃあ、ダメ」
「そんな事言うなよ」
手が止まっていると指摘して、仕事に戻させる。時間がかかりそうだったので、先に練習場に向かうとマルコさんが休憩していた。木刀を借りると確認だけして、隅っこで剣を振っていく。体が温まる程度で体の動きを確認している。問題ないかな。エロイーズが割り込んでこなかったら、大丈夫かな。
「少しいいですか?ランス君」
「どうしたの?」
「どうやったらエロイーズ隊長と打ち合えるのかと思って聞いてみたんだ。あのバカ力に対抗しながら打ち合えるのはどうしてなのかと、そう思って。いや、勝つとかではなくて、まずは打ち合いが出来るほどになりたいのですよ。どうも、打ち合いでは手がしびれて、木刀を落としてしまう。それを防げれば、もっといけるのではないのか。そういうことを教えてもらえないか?」
「リビーとロッティが来るまでならいいよ」
お願いしますと向かい合う。まずは全力で振り下ろしてもらう。力を逃がすように打ち合って、剣筋をそらせる。まずのはこのくらい。
「こういう感じでやれば、十分にできるかな。当てる角度によるかな。浅すぎると剣筋が体に当たってダメだし、深すぎると力が腕に来るから、それを見極めるのが大事かな。あとは練習だよ」
「な、なるほど」
「最初は難しいと思うけど、目がよければ見極めが早いかな。ダメでも体で覚えられたら、いけると思うよ」
「やってみます」
頑張ってねと告げてから1人で剣のふりを行う。
結局エロイーズは一緒に来ていた。
「見るだけならいいんだろう?」
「いいよ」
「参加させてくれてもいいじゃないか」
「本気出していいの?」
エロイーズは顔をひきつらせた。
「勝てるんですか?」
「エロイーズはずっと発動しているスキルがあるから、僕も生活魔法を補助として使うだけだよ。それだけ。お互いがスキル解禁で本気を出してもエロイーズが死ぬだけだからね。生活魔法だけしか使えないから、剣とかは得意じゃないんだ」
「それでエロイーズ様と打ち合えるのなら、それは才能の差ということですね」
「だから教えるよ」
凄く基本的なことから聞いていった。自分のスキルのこと、力なのか速度なのか両方ないのか。剣の振り方はそれぞれあるらしく、エルミニド辺境伯みたいに一律ということはない。リビーは力が強いのでゴリ押すような戦い方。一撃で敵を切り裂くような力業がいいのではないかということ。あとそれを行うための技術面だよねってことになる。ロッティは素早い動きが得意だけど、力がないわけじゃないから間合いに入ったり出たりで、打ち合ったり動きで翻弄したりとか。教本に書いてあるようなことだと笑われたりしたけど、動きを見て修正したり、こうしてみてとやっていくうちに、それなりにまとまったかなと思う。あとは本人の努力次第。
「私にはそんな具体的な指導はしてもらったことはないぞ」
「して欲しいと言われたこともないけど」
「お、教えてくれ」
なぜか人だかりになっている中、エロイーズはそういってきた。
「いいというまで剣を振って」
剣を振るエロイーズの周りを回っていく。きちんと振れてはいるけど、まだ練習はいるかな。
「力はあるのに体幹が振られているよ。軽いはずの木刀で振られないの」
「そんなはずがあるか。剣は毎日振っているんだ。練習をサボっていたならわかるが、きちんと練習していたのに悪くなることがあるわけない」
「練習が悪いとは思わないけど、足下がおろそかになっているんだよ。じゃあ練習は、力持ちだから剣をつけたまま走ってこよう」
「剣の練習をさせてくれるんだろう」
剣の練習だからやるんだよ。早く行くように伝え、両側の腰に剣をつけさせて練習場を走らせる。イヤイヤながらやるのは偉い。他の2人に戦わせながらどうやって立ち回りなどをちゃんと教えておく。
「はあ、はあ、はあ」
エロイーズは専属のメイドさんがタオルを持ってきて、汗を拭ってもらっている。疲れているのか、剣を外すそぶりも見せない。まだ頑張るつもりなんだろうか。そろそろ帰ろうと思っていたから、これで終わりって言ってから帰っていく。みんな疲れているからやめておいた。
帰ってからは自分も体を動かしたくなったから、剣を振っていく。やり過ぎるといけないから夕飯前には終わらせて、明日に備える。
次の日はシャローザの膝が痛んだと聞いた。無理をしたから、安静だね。王都の近くの森は東にあるのだとメイドさんが教えてくれた。魔素の濃くない普通の森ってことだけど。ここで魔草は少ないし、癒し草も見つけるのが難しい。普通の薬草になる植物はたくさん生えていたけどね。
その日は使える植物を見つけてはとって、次の植物を繰り返した。出来れば早く家に帰りたいんだけど、書類が出来上がらないと帰ることも出来ないからね。早く出来ないのかな。
元気なったシャローザと普通にお店や買い物、食べ歩きなどの王都を一緒に過ごしている。ほとんど毎日をそういうので楽しく過ごして、シャローザとの時間を過ごしていった。
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読んでくれてありがとうございます。
☆や♡を恵んでください。お願います。
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