家での生活1

 外に出ると空が白んでいた。家に入り布団をしまい、鍋を探す。石鍋は?そういえば、ひびが入ったから使うのを辞めたんだ。一時的にクリスタルで鍋を作り出す。終わったら消そう。鉄鍋を買わないとね。食器とかも作ろう。食器はすぐに作れそう。木はあるから。最初は何も考えずに火に強そうだから石で作ったんだよね。直接火であぶってもいけそう。

 石の食器を出してからスープを注いでいく。パンとスープを食べてから鍋を消す。鉄鍋は買う必要がある。食器は木の物にしてしまおう。木だとだいたいの場所でとれると思う。薪とかも補給したいね。火自体は生活魔法で何とかなるけど、寝ちゃったら使い続けられない。久しぶりに探索を使って人がいないことを確認。空間収納から薪を取り出す。ある程度は暖炉の横に積んでおく。薪の補給と食器を作りに出かける。外に出ると戸締まりを確認。荷物は何も持っていない。

 裏の小屋を見ておいて、壊れてはいない、ね。誰でも出入りは出来るからね。突貫で作っただけだし、うまくできていると思う。まずは森の方に行って、奥に向かっていく。周りに誰もいないことを確認してから1本切り倒す。風で1発。

 枝を落としていって、適当に輪切りにしていく。次に食器分をそのままの状態で、他は薪の状態にしておく。風と火で全部乾燥してやる。水が抜けないと薪にしたとき火がつきにくかったり、他にも曲げに強くなったり、食器にした後に乾燥すると変形したりするから最初に乾燥する。時間がかかってしまうのは燃えたり、焦げたりさせないため、本当は自分で使うだけなら多少焦げてもいいんだけどね。燃え尽きると困るから、焦げないようには気をつける。乾燥の時に火がつくと、すぐ燃え上がって使い物にならないだけじゃなくて普通に灰になっちゃう。


 時間がかかるので乾燥しながら周りの薬草を探し始める。乾燥しているところから、そんなには離れられない。使えるとか使えないとか関係なくとっておく。採集を終わらせるといったん戻る。薪のはいいかな?あと食器にするのは家に戻ってから自然に乾燥させつつ、暇があったら自分でも乾燥でやろう。収納して家へと帰る。

 帰ると輪切りを出して乾燥をする。石を積んでその上に乗せておく。つるしておいた薬草を新しく採った薬草と入れ替える。乾燥させたのはバックの方に入れておく。収納魔法は見つかるわけにはいけないからね。

 乾燥させる薬草を変えてから干している肉を降ろす。干し肉になっているのでナイフである程度の大きさに切り分ける。塩漬けにしないと腐るってティワズに聞いたけど、腐ってないからそのままでいいかな。バックに入れるから腐りづらくはなるはず。塩辛くない干し肉も必要。

 さてと狩りに行こうかな。必要なことはできたし、木の食器はあせることはない。石のもまだ使える。鉄鍋は早急に必要だけど、代用品はすぐに作り出せる。ただそれを使っているのを誰かに見られるのは避けたほうがいい気がしている。偉そうな使いみたいなのが来るとも限らない。ギザギザクリスタルの値段も高いから使わないように。

 バックとリュック、ナイフに弓を持って戸締まりをきちんと確認。家の直した場所を確認、じっと見てみても色が違うぐらいでうまく直せている。隙間もない。

 満足してから森の中へ入っていく。ワイバーンが現れてから動物たちと魔物の類いも逃げ出したので、戻ってきているのだろうか?いろいろと問題が起きてしまったけど、倒したんだから戻ってきていて欲しい。家から少し離れて、風の魔法で移動時間を短縮する。一晩ぐらいは粘って帰るのもいいかな。深呼吸して探索をかける。いるね。よかった。帰り道を、少しそれるけどいる。

 気配遮断を使って見つかりにくくする。風下にいるため、生活魔法で自分の周りの空気を逃がさないようにする。動物は鼻がいいからニオイが風に乗っちゃうと逃げちゃう。あとは音にも気をつけながら進んでいく。大きな音がすると驚いて行ってしまう。仕留めるための細心の注意を払って、獲物に近づいていく。慎重に。

 弓も久しぶりに使う。持ってはいたんだよ。使わなかっただけで。弓じゃ対応できなくなってきていて、速度の速い魔法でしか、なんとか出来なかった。普通に道具を使うことも好きだから、それをヒントにして魔法で再現するっていうのもありえる。パンの時は自分の動きからこんな風にすればいいんじゃないのかなって、そういう風に考えてやっていた。

 遠目に見えるぐらいまで近づいてきた。向こうはまだ気がついていない。鹿だね。あの角って痛そう。反撃される前に仕留められればいいか。じりじりと距離を詰めていく。早くしとめたいと焦って近づいたら、逃げられてしまう。極力音をさせないで近づく。


 ガザバフ


 鹿の目の前にウサギが跳びだしてくる。驚いた鹿は全力で走り出した。ウサギも出会い頭で鹿に出会って逃げ出す。ええ?

 時間が止まったようにじっとしていた。ウソだ。あんなふうに動物が逃げていくなんて、今までなったことがない。自分のせいじゃない。ちょっとだけ巡り合わせが悪かっただけだ。切り替えろ。次だ次。仕留められないことなんて、よくあること。ミスもなかった。次をきちんと仕留めればいい。

 一呼吸をおいて次の獲物を探しにいく。探索を使い、近場にいるウサギを狙いにいく。慎重に森の中を進んでいく。草が多くて、動くたびにすれるような音がする。気づかれるかな?注意をしながら進む。なんとか目視出来る場所について、じりじりと弓が届く位置まで近づいていく。

 いい位置まで近づけたので、弓矢を構える。よく狙って弦を引く。力一杯でなんとか届くと思う。いけ!

 矢はウサギに向かって飛んでいく。吸い込まれるように矢が当たる。近づいてとどめを刺すと、すぐに処理にかかる。そのままバックに入れて帰ろう。数日はスープに肉を入れておいしく食べられる。鹿じゃなくなったけど、獲物をとれたので十分だ。それに動物達が戻ってきてくれている。ワイバーンと戦ったのは間違いじゃなかったんだ。

 心おきなく狩りが出来るようになっている。もう少し食べられるものを探そうかな。探索を使って人がいないことを確認して、食べられるかなと思ったものに鑑定をかけていく。地面には赤いキノコや黄色の変な色したキノコが生えている。薬には使うものだけど、まだ薬草で十分かな。キノコって抽出が難しかったりするから時間がかかるのはいいんだけど、道具が足りないかな。まだ、そんなに難しい作業をする予定はないから採らずにおこう。

 日が落ちてきていて、辺りは暗くなっている。無意識に夜目を使っているから暗くなっているなぐらいだけど、普通に戻すと薄暗くなっていた。帰ろうと思えば帰れるけど、土の壁を出して囲いを作る。距離もあるから寝るところだけ確保して、パンと干した肉を口にした。布団を出してから横になると塞いでない天井、森の木々の間から星が漏れ出していた。空気穴だけ空けて閉じる。暗くなった空間で眠りについた。

----------------------------------

読んでくれてありがとうございます。

☆や♡を恵んでください。お願います。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る