閑話① 良かったね。
<渋沢 小春視点>
「おかえり春香。どうだったデート」
「うん。凄く楽しかったよ。それに・・・睦月君が告白してくれたの」
「あらほんとに!!」
「お母さんのおかげだよ。私だけだったら・・・多分お母さんが後押ししてくれなかったら睦月君をデートに誘うとか出来なかったもん」
「ふふ。そんなことないわよ。春香なら私が後押ししなくてもちゃんと自分で告白してたと思うわよ」
「そうかなぁ~」
「だって私の娘だもん♪
でもよかったわね思いが通じて」
「うん♪」
「あ、夕飯は睦月君と食べてきたんでしょ?
緊張して疲れただろうしお風呂入ってゆっくりしちゃいなさい」
「そうする。ありがとう。お母さん」
そう言いながら春香は鼻歌を歌いながらお風呂場へと向かっていった。
なんの歌かわからないけど音程はずれてる。
相変わらず歌は下手ね。誰に似たのかしら。
・・・でもよかったわ。
後押ししておいて上手くいかなかったらどうしようかと思ってたのよね。
リビングに戻ると雑誌を見ていた開成君が話しかけてきた。
「小春。春香は・・・上手くいったのか?」
「そうみたい♪」
「そうか・・・娘に彼氏が出来るってのは何だか寂しいな。。。」
「あら。いい事じゃない」
「まぁそうなんだけどな」
「それに・・・」
「それに?」
「後悔はさせたくなかったから。
私は結局高校生の時に開成君に告白しなかったし」
確かに高校の頃は明確に"好き"って言う気持ちには気が付いてなかったのかもしれないけど心のどかで引っかかってたのよね。
横川出版で再会できたのも本当に偶然だし、当時開成君が彼女さんと別れたってのも本当に偶然。
もし、開成君が彼女さんと上手くいっていたら再会できていたとしても・・・辛いだけだったかもしれないし。
春香は川野辺大学に進学する(多分今の成績なら大丈夫)みたいだけど卒業しちゃったら睦月君に会う機会もかなり減っちゃうだろうし。
春香には後悔して欲しくないもんね。
「・・・」
「高校卒業しちゃったら私達みたいに再会できるとは限らないしね」
「睦月君は大和の息子さんだし会える機会はあるだろうけど・・・そうだな。
後悔はしてほしくないよな。
まぁ睦月君の事は小さい頃から知ってるし凄く真面目でいい子だ。
成海とも仲が良いし、大和と春姫さんと親戚になるのも悪くないよな」
「・・・寂しいとか言ってた割に親戚とか気が早いわね♪」
「そ、そうか?それより明日は小春も休みだろ?僕らも久しぶりに行かないか?」
「何処に?」
「リバーランド」
「え!?わ 私と!?」
え?何?私デートに誘われてるの?
「他に誰が居るんだよ♪」
「最近忙しくて2人だけで出かけてなかったし、成海にあげたチケットも戻ってきたしな」
「え?成海は麗美ちゃんと行くんじゃなかったの?」
「そのつもりであげたんだけど麗美ちゃん家族旅行だったんだって」
「そうなんだ。それは成海も残念ね」
そっか。
確かに小山内先輩って旅行とか好きだったもんね。
連休なら旅行行っちゃうか。
「それで、成海のやつ睦月君に春香をデートに誘えってチケットあげたらしいんだ」
「え?成海が?」
「そ。あいつなりに睦月君と春香の事は気にしていたみたいなんだ。
だけど、春香から誘っただろ?春香は小春があげたチケット持ってたし、睦月君は成海にチケット返してくれたらしいんだよ」
「睦月君・・・真面目ね」
「だな。有効期限も近いしそのままでもよかったのにな」
真面目なところは鶴間君譲りなのかな?春姫だったら・・・返さないだろうな。
でも開成君も多分同じ状況だったらチケット返しそうだけどね。
「どうする?無理にとは言わないけど・・・」
「あ、行くよもちろん♪」
「そ そうか!じゃ久しぶりにリバーレストランでお昼食べようか。まだあるよなあの店?」
「あると思うよ。何だか楽しみだね♪」
「あぁ そうだな」
開成君とデートかぁ~
久しぶりだな。何着て行こう♪
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短めですが、久々登場の開成&小春の閑話です。
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