第17話 シェフ大忙し

「はい。俺のお手製、鳥のから揚げ」


行儀よくテーブルの席に座っている千鶴、ズッキ―、上里の前に置いた瞬間、「いただきます」らしき言葉を一瞬で言った三人は、ご飯が盛られたお茶碗を片手に一瞬でから揚げに手を付けていった。

ものすごい速度で。

しかし、数分後、ズッキ―が手を挙げ。


「シェフ!!サラダを一つお願いします!!」


「そんな注文は受け付けてねぇよ」


注文を入れようとしたのを龍馬は冷静にツッコミを入れた。

次に姉である千鶴も手を挙げた。


「ご飯お代わり!!」


「自分で炊飯器までどうぞ」


千鶴は龍馬にそう言われて席を立ち、炊飯器があるキッチンまで歩みを進めた。

最後に上里が手を挙げた。


「から揚げが一部焦げていたんですけど!」


「知るかー!!」


上里のクレームらしき言葉に、龍馬は思わずそう言った。

そして、結局、かなりの量を作ったから揚げと、四合くらいあった炊飯器のご飯はすべて綺麗になくなった。

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