第15話 料理のコツとは

日高龍馬の自宅にて。

同じソファに座りながら見ていた龍馬と千鶴はぼーっとテレビを見ていた。

その場にはテレビの音声しか流れていなかったが、千鶴が話を切りだした。


「なぁなぁ、龍馬」


「なんだよ、姉さん」


「私って料理できる方?できない方?」


「できない」


龍馬の容赦のない返答に、千鶴はソファのひじ掛けのところに寝転んだ。

今までバレーのみに専念してきたため、料理についてはあまり詳しくない。


「お母さん直伝、『超大盛のスタミナ丼』が作れるんだから、料理ができる人と思われても良いと思うんだけどなー」


「それはない。というか、俺もあのどデカいの食べたことあるけど、あれはもはや食修行だったな。あと、よくあんな量を夜に食べて、次の日普通に試合とかできたよな」


「まぁ、それは私がすごいから?」


「はいはい。すごいすごい」


龍馬はそう言うと、ソファから立ち上がり、そのままキッチンへと向かった。

そして、冷蔵庫に手をかけた。

その音を聞いた千鶴が起き上がり、キッチンの方を向いた。


「何々?私のためになんか作ってくれんの?」


「いや、普通にお茶飲むだけなんだけど」


「ええー」


と、項垂れる千鶴であったが、あることを思いついた。

それは。


「そういえば、龍馬って料理できるよね?」


「まぁ、少しならな」


「じゃあ、私に料理のコツ教えてよ!今度、友達の家で料理を作ることになったから。良いよね?」


「ええ………………」


と、龍馬は嫌な顔をしながらも仕方がなく了承してしまった。

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