第12話 成長期ですから

「しまった。やらかした!!」


昼休み。

食堂に来ていた日高龍馬はズッキ―と上里の前で呟いた。


二人は目線だけは日高の方を向けながらも、無反応で弁当箱から自らの口へと箸を運んでいた。

食べることに集中したいのだろう。


だが、日高は手に持っていたコンビニの弁当を二人に見せつけた。


「姉ちゃんが用意してくれたんだけど、消費期限が余裕で一か月前だった」


と、日高が言った瞬間、ズッキ―と上里は目線すらも弁当箱に向け、中身を一気に食らいついた。

弁当を奪われるのを危惧してだろう。


そんな二人を見て、日高は呟いた。


「な、なんて恐ろしい食い意地………………」

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