第3話 怒られます
昼休み
上里が廊下を歩いていると、宮代もといズッキーを見つけ、あえて大声で叫んだ。
「おーい、ズッキ―!!」
「ん?なに?」
その声を聴いたズッキ―は上里の方まで歩いて行った。
特に何の反応も示さずに。
「反応薄いな。昨日の今日なのに」
「いや、別にズッキ―って名前自体は大したことないだろ。それにこれくらいのことでメンタルやられるんだったら、入学式で知り合ってから二週間も経ってないお前らの前であんな一発ギャグするかよ」
上里の問いにズッキ―はどや顔で答えた。
やけに自信満々のその顔に苛立ちを覚えた上里はある一言を放った。
「カズッキーニ」
ビクッ、と上里がその言葉を言った直後、ズッキーの身体が震えた。
理由はわざわざズッキーに問わなくともわかる。
「やめろ!!その言葉を何度も聞くと俺は二度とズッキーニを食べられない身体になってしまう!」
ズッキ―のその言葉に上里の嗜虐心がくすぐられた。
「そうか。じゃあ、お前に散々『カズッキーニ』という言葉を聴かせたあと、ズッキーニを食わせてやる!!」
上里の狂気に満ちた目に、ズッキ―は思わず走り出していた。
その場から逃げ出すために。
そして、ズッキ―はこう叫ぶ。
「ズッキーニ作っている方々に怒られんぞぉ!!」
と。
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