第2話 ズッキーニ

「くそう。渾身の一発ギャグだったというのに………………」


「いや、一発じゃなかったじゃんか。スベッた恥ずかしさのあまり二発ギャグになってたぞ」


宮代が落胆する中、飛び蹴りを宮代に食らわせたうちの一人である日高がダメ押しのごとく言った。

明らかな図星で触れられたくない点に触れられた宮代は思いっきりボディブローを食らったかの如く体が少し浮き上がり、そのまま転げ落ちた。


だが、もう瀕死状態である宮代に更なる攻撃が来た。


「なぁ、宮代。今度から宮代のこと『カズッキーニ』って呼んでいいか?」


上里が倒れている宮代の顔を覗き込みながらそう言った。

何の穢れもない満面の笑みで。


倒れこむほど瀕死の宮代にまるで寝技を食らったかのような衝撃が走った。


「ゴフッ!!………………ち、ちなみに一つ質問だ。その理由は?」


「え?ああ、ええと。今の宮代の黒歴史一発ギャグを後世に語り継いでいくため」


「ゴファアアアッ!!」


会科高校1年C組所属、宮代和樹は本人が放った一発ギャグによりあだ名が付けられた。

『カズッキーニ』から『カ』と『ニ』を省いた『ズッキー』となった。

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