第22話 ようこそ『至高天』へ
――ラァァァァァ♪
コウリュウの龍鱗から放たれる不快な金属音と、『
2つの音が交じり合い、ポラールとコウリュウの周囲の空間が歪んでいく。
『
こんな完璧に読まれることなんてあるのかってぐらいコウリュウの対応が上手すぎる。
天獄の順序が完全に読まれていることもポラールも気付いているだろうが、今回は順番通りに天獄を展開していく必要があるため変えようがないのだ。
「しっかり勉強をなされているようですね」
『さすがに気付いたか……貴様らの主がいた世界の逸話であったり神話というモノが、貴様らの能力原型になっておりのを聞いてな』
「なるほど……『原初の魔王』か『女神』どちらかが教えたのかは知りませんが、我らがここに来ることは予想されていたということですね」
『然り』
「なれど我は曲がらずというやつですね。『
『『天牢重落』』
――ギギギギギギギッ
コウリュウの周囲に大量の金剛石のプレートが出現し、コウリュウを固めるために次々と襲撃するが、コウリュウの身体から黒い波動が放出され、プレートが次々に地面へと落下してしまった。
魂に反応し、敵を金剛石のプレートで拘束し永遠に封印するという『
ポラールは防がれようが何でも良いから素早く最後まで展開していこうという組み立てに完全に切り替えているな。
「『
『『天星崩界』』
――ゴゴゴゴゴゴゴッ!
ポラールの周囲に虹色に輝く7つの光球と、十二宮が突如として出現する。
『
そんな『
十二宮が出現した瞬間に降り注いできたのもあり、ポラールも自身の視界を遮る隕石を破壊したのだが、十二宮に降り注ぐ隕石を防ぐことは叶わず、『
ポラール的にも、次の段階に進むのを考えたら、わざと守らなかったのかもしれないな。
コウリュウは完璧な自身の『天星崩界』に少し満足げな顔をしている。
本来なら1つ1つが絶大な力を持つ『
『
「『
『『天禍瞬効』』
――カチッ!
「……元々戦闘タイプも似ていてスキルまで似ているとなるとは思いませんでしたね」
『その小さき身体で、これほどまでの世界を変える力……少しは認めてやろう』
「『
『舐めるでない』
俺も何があったのか目に見えていなかったのだが、2人の会話から察してみると色々あったようだ。
『
お互い一瞬の時間の中で、互いに加速していることが分かったので動くことが無かったと見て良いんじゃないだろうか?
俺なんてポラールに加速されたら1秒で20回は殺されるだろうに……。
「それでは……ようこそ『
『『天龍転生ッ!』』
――ラァァァァァ♪
世界が銀色の光に照らされ、ポラールの背後に巨大な銀色の薔薇が咲き誇る。
それに対しコウリュウのほうは、咆哮をあげた後、何が起るのかと思えば脱皮のようなことを行っており、何度も白くなった鱗やら皮が剥がれ続けていく。
『
ポラールの背後に咲く『
本来ならば、発動した瞬間にコウリュウの思考は彼方へと旅立ち、肉体は停止するはずなんだが、永遠と脱皮を繰り返しており、さすがのポラールもその有様に苦笑いを浮かべている。
「……なるほど。今まで蓄えてきた力で死と再生を繰り返すことで、死亡時に受けていた力に耐性を得る能力ですか」
『……30回滅びねば耐性がつかぬスキル……そのスキルは『最強』と認めてやろう。だが我が力は不敗なり』
「ハクとデザイアに破られた時点で、他にも抜けてくる者はいると思っていたので問題ありません。私の目標は『
『我は耐性を得たッ! その不滅になる力をも今では喰い破れるのだ。残るは貴様らの切り札である『原罪』とやらだけであろう?』
「貴方が頑丈なのは認めましょう。その頑丈さは『大罪』を司る者たちには無い力です。ですがその程度で私の『原罪』を覗けると思うのは少々浅はかではありますね」
『ほざけッ! 『
「誇り高き龍皇に『怒り朽ちる渇望』の理を! 『
――グオォォォォォォォォッ!
凄まじい勢いでコウリュウに魔力が溜まっていくと思った瞬間、ポラールの背後に咲いていた『
その散りざまをコウリュウが見た瞬間、藻掻き苦しむ唸り声をあげながら、コウリュウが天から落ちていく。
落ちていくコウリュウの身体が少しずつ崩れて塵となって消えていく。
『
効果は『
まぁ……『女神』が面白くないというのも今の戦闘を見てもわからなくもない。激しいぶつかり合いもなく、お互いその場から動くことも無くスキルをぶつけ合い、概念を捻じ曲げて何かしらの手法で殺すという盛り上がりにかける戦いだからだ。
だけど、俺はこの戦いは1番好きだ。そして『女神』にはもっと面白くない戦い方で勝とうって思っているからな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます