第21話 『プライドバトル』
――バリバリバリッ!
コウリュウによる各所への雷鳴が轟く中、ポラールから少し距離をあけたところに『
生物反応に反応して降り注ぐ雷を華麗回避しながらコウリュウへと突き進んでいくポラール、何度見てもワクワクが止められない雰囲気を見て、一応主の立場ではあるんだが、なんともポラールに頼もしさを感じた。
ウロボロスの倍はあるであろうコウリュウより上空に飛び出し、ついにウチの右腕と『皇龍』の右腕が天にて再会した。
「どうもお久しぶりですね」
『……魔王の配下が勇者の肩を持つか』
「私は以前ご丁寧に挨拶頂いた借りを返しに来ました。そして我らがご主人様が魔王界最強である称号も頂きに来ました」
『……随分器の小さき者だ。称号などというモノに拘ったところで何になる?』
「如何なる者であろうと……ご主人様を見下す者が存在するだけで、私の怒りが治まりませんので」
『そのような私情でこの戦に介入するなど愚かなりッ』
「我らは『大罪』を背負いし『
『……滅するのみ』
「ふふっ♪ 相応しい地獄に送り届けてあげましょう」
――ゴゴゴゴゴゴゴッ!!
黄金に輝く巨大でとにかく長い龍という外見の印象を持つコウリュウ。
暗雲の上遥か天空で巨大な龍の気とポラールの『
コウリュウの身体からは雷が迸り、ポラールの身体からは黒炎が滾っている。
「『
『『天地雷鳴ッ!』』
――バリバリバリバリッ!
一瞬にして空が火と雷に支配される。
火の嵐がコウリュウを襲い、コウリュウから放たれる雷の嵐がポラールへと襲い掛かる。
火と雷がぶつかり合い、至る所で爆発が乱れる中、両者ともに動じることなく相手の次の一手を待っているように見える。
『
『火焔天』から順番にやらなきゃダメな可能性があるって……一体どんな耐久力してるんだよ。スリップダメージと割合ダメージを継続的に与えているはずなのに、コウリュウはかすり傷程度しか負っていない。
「『
『『天外氷雹』』
――バキバキバキバキッ!
世界は星空に覆われ、ポラールを中心に弾くように超重力の波が放たれる。『
対するコウリュウは自身の身体から凄まじい量の冷気を噴出し、空間ごと凍らせていく。
どうやらコウリュウも、ポラールの『
コウリュウ自身にもポラールから吹き飛ばされるように重力の圧があるはずなのに、そんなこと気にもしないように迫りくる超重力の波に対抗してきている。
『
「『
『『天魔炎艶ッ』』
――ゴウッ!!
重力暴れる星空と氷結の世界が、天に海が出来上がり、2人の頭上から圧縮された光線のような水流がコウリュウへと降り注ぐ水と、コウリュウの身体から燃え盛る業火がポラールへと襲い掛かる水と炎の世界へと塗り替わった。
『断ち切る』という概念が付与された水流は、切り裂いた者の1つのステータスを1度切るごとに半分にしていく地獄。
頭上より降り注ぐ数え切れぬ水流が相手を矮小な存在へと断ち切っていく俺から見ても嫌なタイプの効果をしたスキルだ。
降り注ぐ水流に拮抗しているのがコウリュウの『天魔炎艶』とかいう炎の世界だ。次々と水流をコウリュウに届く前に蒸発させており、効果範囲は狭そうだが威力は相当なモノと見える。
『
「『
『『天羅鋼劫』』
――ゴゴゴゴゴゴゴッ!!
2人ともスキルの見切りがあまりにも速すぎる。
天の海は消失し、金粉舞う輝く黄金色の空へと世界は切り替わる。
『
本来ならば『
金色の龍鱗をしていたコウリュウの身体が一部黒に染まっていく。おそらく『天羅鋼劫』で湧き出てくる黒鉄は阻害と持続バフの効果があるようだ。
どっちも展開切り替えが速く、動かずとも敵を殺める最適解と、それに対する最適な対策合戦になっている。
「『
『『天鎖水踏!』』
――ギャオォォォォォッッ!
大量の『
水龍と『
『
完全にポラールの『
簡単そうにやっているが、こんなにも完璧に『
「『
『『天照風鱗ッ!』』
――オォォォォォォォォォォォッ!
夕焼けに照らされているような色に世界が塗り替わり、ポラールの周囲に大量の人間型の戦士たちが出現する。
『英雄の魂』で創られた戦士たちは、それぞれの武器を構え、ポラールを護る組とコウリュウへと突貫する組に別れて行動を開始していく。
対するコウリュウは自身を中心に巨大な黒風竜巻を発生させ、接近してくる戦士たちを細切れにしていく。
ポラールが地獄を切り替えてから戦士が突貫するまで数秒しかないのに、よくもまぁ完璧にスキル返しができるもんだな。
あの戦士たちLv900固定だけど、ステータス化け物軍団なはずなのに一蹴できるスキルをあんな素早く切りだせるのは凄い。
「さすが最強と謳われるだけありますね。『
『貴様のような小さき者に最強は譲ってやれぬ。『天奏金鳴』』
――キィィィィィンッ!
不快な金属音と、何者かの美しき歌声が世界に響き渡る。
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