第14話 『繋がる鬼』
阿修羅お得意の『天下風雷ノ陣・大狂界天狗道』が勇者の『
そんな勇者に対し、阿修羅は武技で攻めるのではなく、様子見をすることも無くいきなり『原罪』を解き放った。
『
『
あまりの異形な光景、そして触れているだけで気分が悪くなりそうな濃厚な『
「それが噂の『原罪』ってやつか! お前ら頼むぞ!」
「その剣に敬意を払い……血肉沸き踊る死地を楽しませてやろう」
勢いよく後退した勇者の周囲に現れたのは5人の本橋恭弥。
同じ人間が5人も同時に現れるのは気味が悪いし、相変わらず『不認知』の力で突然視界に現れるのは心臓に悪い。
阿修羅の『
阿修羅が受けた傷も、効果範囲内全ての者が同じ分だけ受け、阿修羅だけは自身の体力が秒間10%ずつ回復し、『原罪』解放中は最大体力値が元の6倍になるので不死身のような状態になり、自分以外の者だけ傷ついていく残酷な『原罪』だ。
今展開されている『
「こんな玩具で死地ってのは笑わせるなァ!」
――ブシャッ!
『
もちろん、そのダメージは『
――ドシャッ!!
口から血を噴き出しながら5人の本橋恭弥が倒れ伏し、勇者君も吐血しながら膝をつく、普通なら数体の人形を消し飛ばすような攻撃を加えたら即死するはずなんだが、勇者君は相当タフなようだ。
阿修羅も回復はし続けるがダメージは受けるのもあり、少し身体に傷を刻まれながらも、勇者へと近づいている。
その表情、血にまみれた格好、まさしく血に狂った鬼だ。
本橋恭弥が倒れたことで『
勇者君も今の一振りで人形が消し飛んだことは理解できたが、本橋恭弥が倒れ、自分も致命的なダメージを負ってしまったことに理解が追いついてないようだ。
「ガフゥッ……そんな不可視の攻撃してくるタイプだっけか?」
「さて……その剣で試してみると良い。我が神剣が簡単には斬らせぬがな」
「『
「『修羅道・血纏絶ノ刃』」
「『
――バァンッ!
阿修羅の血を纏いし三明の神剣による剣舞『修羅道・血纏絶ノ刃』と、勇者君の『
阿修羅の一撃がカウンターとなり、阿修羅に凄まじい衝撃となって襲い掛かったことで、ただでさえ『
しかし、ここは『
血に酔い狂い、阿修羅に傷を負わせたのならば、それは己にも返ってくることになる。
阿修羅の『修羅道・血纏絶ノ刃』を『
あまりに惨かったので俺は『
「綺麗に上半身が吹き飛びましたね。あれは私たちの中でも耐えきることが難しいので仕方ないです」
「効果範囲が割と狭いことだけが助かる点だな。敵としてはだけど」
「あれズルいよね! 殺したらコッチも死んじゃうから発動中倒せないんだもん!」
「デザイアやポラールのように敵を止めたり閉じ込めたりする力を持っとらんと厳しいからのぅ」
「ちなみにあの状態の阿修羅一撃で仕留め切れる人いるの?」
「ハクとポラールくらいじゃろうて……儂みたいな火力の無い者は厳しいのぉ」
「我らが王よ……第1回戦は終わったみたいですぞ」
「どっかで見てる『女神』が、俺たちの戦い見て……本当に面白くないって叫んでるんだろうな」
あの隼人とかいう勇者は間違いなく強者だった。
組み合わせによっては『原罪』の力を持ってしても押し切られる可能性があるような力を持っていた勇者だった。
あそこで阿修羅が行くとなったのも、阿修羅が勇者の力を見極めての判断だと思うし、実際阿修羅は回復しきったけども、かなりのダメージを受けたのだから、阿修羅が相手からすれば面白味が無い戦い方だったとしても殺しに行ったのは正解の判断だと思う。
俺たちの戦い方がひねくれていて面白味がないのが理由で『女神』が狂乱してるんだから、今の阿修羅の『
「一旦カウンター対策と、さっきの隼人とかいう勇者の対策練り直すか」
「第2陣への備えは良いのですか?」
「ミネルヴァだったり、ある程度戦力は残しとくけど、『女神』様もそろそろ面倒くさくなって直接叩きにくるだろうさ」
「若の人読みは今のところ当たっている……警戒に越したことはない」
「『
「面倒くさ~~い!」
俺たちの手札を律儀に全部確認してから本番を仕掛けてくるなんていう面倒な真似を『女神』が今更してくるなんて思えない。
東雲拓真が『原初』に迫っているのなら、のんびりとしていられないだろうし、さすがにコアを潰しに来ると考えた方がよさそうだ。
アイシャとラプラスのことも忘れず、『罪の牢獄』に殴り込みに来るなら全員で迎え撃たせてもらうとしよう。
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