第11話 『不認知』
『
触れられるスキルだけを『
「今のところは拳以外には脅威には見えんのが幸いじゃな」
――ドンッ!
ルビウスの街中から外へむけて跳びまわりながら、五右衛門は本橋恭弥の戦い方を分析しつつ、今のところまったくもって効果は無いが『
本橋恭弥も『女神』に弄られた基礎能力と勇者の身体能力を前面に出し、人間とは思えない速さで着いてくるのだが、さすがに跳躍力で蛙には敵わないようで距離感は最初から変わることは無い。
ポラールに対し、1撃で大ダメージを与え、ソウイチに今1番とも言えるような危険分子と認定され、自分も今までの敵であるならば瞬殺してきたスキルを放っているが、傷1つ与えることが出来ていない初めての状況に五右衛門は少し燃えていた。
「儂らの戦い方には遠いかもしれんのじゃが……たまには漢を見せてみようかのぅ」
――ドンッ!
距離をあけ続けていた五右衛門が急激に反転。
『
そんな五右衛門に対し、本橋恭弥は減速しながら五右衛門の攻撃を仕掛けてくるタイミングを完全に見計らってカウンターを叩き込むために体勢を整える。
『
「『朧陽炎之陣』」
「『
――ドドドドドドドッ!!
分身した五右衛門たちが次々に本橋恭弥を囲むようにして襲い掛かる。
斬れれば対象から『文字』を奪う『
五右衛門の斬撃に対する『
音も気配もない『朧陽炎之陣』による分身殺法も、的確に対応しながら1撃で分身を消せるカウンターを何度も連発できる本橋恭弥に驚きを隠せない五右衛門。
12体目の分身が『
「『
「さすがに読めとるわ! 『
――バァンッ!
五右衛門の背後に突如として現れた2人目の本橋恭弥による『
自身の背中に『
気が溜まっていた本橋恭弥の『
(『
完全にスキル名を知ったモノを宣言すると、そのスキルを10分間使用不可にすることができる五右衛門のメインアビリティである『
なかなか見せたことのない力だったので、対応されること無く適用されたのだが、もし効かなかったら致命的だったと五右衛門は冷や汗をかく。
「なるほど……これは困ったもんじゃ」
体勢を整え、再び『
先ほど急に出現した本橋恭弥が『
しかも、全ての本橋恭弥が蓄積エネルギーを共有していると見て良いだろうと五右衛門は頭の中で素早く結論づける。
「「「「「「行くぞ」」」」」」
「儂の刃は簡単には止まらんぞい?」
「「「「「「『
「参るッ!」
――ドンッ!!
6人の本橋恭弥と五右衛門が交差する。
見事な連携を組み立てながら次々と拳を振るってくる本橋恭弥に対し、跳び回りながら『
相手の身体に当たれば防御能力と相手のステータスを無視してダメージを与える『
――バァンッ!
(う~む……かと言って仕掛けんわけにもいかんのぅ)
6人の本橋恭弥からの攻撃に対し、凄まじい反応と機動力をもってして捌く五右衛門だが、少しずつ本橋恭弥の『
攻めは『
「『
「『
「「「「「『
――ドシュンッ!
刃に触れし者の五感を封じる五右衛門の剣技である『
本橋恭弥の拳により、五右衛門の血が宙を舞い、完全なる隙を晒した瞬間を6人の本橋恭弥は見逃すはずもなく、一斉に拳を向けた。
「「「「「「『
『停止』
「「「「「「ッ!?」」」」」」」
天より響くは無機質な声。
隙を見せた五右衛門を仕留めようと、五右衛門の周囲に集った本橋恭弥たちが、天からの声により一斉に動きを止める。
五右衛門に振るわれる寸前だった拳は、五右衛門の目の前で急停止し、届かせようと必死なのかプルプルと震えている。
五右衛門と本橋恭弥の頭上より現れたのは『
『罪の牢獄』秘蔵っ子が満を持して登場したことに、さすがの五右衛門も嬉しく感じるが、そんなことを話をしている場合ではない。
「『
――シュンッ!
『
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