第10話 『カウンター』の恐怖
ポラール全力の正拳突きである『
バビロンの力を模倣したスケルトン軍団『
『
ポラールが接近されるまで気付くことのできないほどの気配遮断、そしてどうやって『
無感情で機械的な表情をした本橋恭弥は、地面に着地した後、自身の右拳感覚を確かめながら、吹き飛ばしたポラールに向けて進んでいく。
――ガシャァァンッ!
「……これが『
自身の『
街中で鳴り起こった轟音に、素早く駆けつけてきた五右衛門は、ポラールの姿を見た瞬間、瞬時に本橋恭弥にむけて最大限の警戒態勢をとる。
『罪の牢獄』で文句なしの最強候補であるポラールがボロボロになるというソウイチが聞いたら気絶してしまいそうな危機的状況である。
本橋恭弥の『
「儂が来たところで邪魔じゃったか?」
「いえ……今は捕捉できますが、先は目の前に現れるまで気付けませんでした」
「近くに『
「……その可能性がありますね。あまり心配せずとも私は大丈夫ですので気を使い過ぎないように」
「すまぬがバフを一旦頂くぞい」
「それなりにムキムキでしたので存分に暴れることができますよ」
「……それにしても、あれは完全に玩具になっとるのぅ」
「外見は人間のままですが、完全に『女神』のモノとなったようです」
以前見かけた本橋恭弥とは完全に別の存在となってしまったことで、『
『
ポラールが先の戦いで蓄えた自身のアビリティによるバフを、五右衛門が『
「儂が相手をしたほうが良さげじゃな。お主は集まって来とる化け物どもの相手かのぉ」
「『
「儂らが苦しくなるから言っとるんじゃ」
「負け逃げのような形になるのは嫌ですが、私は周りを散らしてきますね」
「『
「気付けの挨拶になりました。ではご武運を」
「いつも通りじゃな」
ゆったりと近づいてくる本橋恭弥を視界に入れつつ、五右衛門とポラールは互いに最善の役割について話し合い、ルビウスに近づいてくる第2陣の気配に対してはポラールが対応するという流れで話が着地する。
五右衛門とポラールでは多数戦においての力に差があるというのを互いに理解しており、1対1の戦いでは五右衛門の強さを信じたのもあり、ポラールは名残惜しさを見せることなく飛んでいく。
五右衛門は攻撃に対する倍以上のカウンターに対し、どう攻略していくか悩むが、自身のスキルセットを浮かべて1つの結論に辿り着く。
(うむ……儂って直接的にダメージを与えるスキル少ないのぅ)
だからこそ本橋恭弥の相手をすべく飛んできたんだと五右衛門は自身の考えを完結させる。
ポラールの攻撃をカウンターしたということは、ハクを除いた『罪の牢獄』全ての魔物の攻撃を弾ける性能をしており、ポラールの耐久性能をもってしても1撃でボロボロにできるだけのパワーがあるのは誰から見ても非常に厄介である。
そして五右衛門の中で1番警戒しているのは、やはりポラールに大打撃を与えたもう1つの要因である『
「『
――ギャオォォォォッ!
振られた『
『
襲い掛かる『
「『
――パリィンッ!
巨大な口をあけて襲い掛かった『
あまりにもシンプルかつ簡単に『
「『乱れ風奏華』」
――カァァァァァッ!
八咫烏の羽ばたきとともに放たれる無数の風の太刀。
巻き起こる風の刃は地面を切り裂き、建物の残骸を次々と細切れにしながら本橋恭弥へと向かっていく。
威力が高くはないが、無数に襲い掛かる風の刃という数での勝負を選択した五右衛門、単純な拳を振るうカウンターでは対処するのが難しいであろうと読んだ1撃だ。
風切り音と八咫烏の鳴き声響く中、迫りくる風の刃に対し、本橋恭弥は五右衛門の元へ駆けだしながら、とったアクションは先ほどとまったく同じ。
「『
――パリィンッ!
自らの拳と相手のスキルがぶつかった時、そのぶつかったスキルに対し無敵時間を得ながら、自身の周囲にカウンターのダメージ判定を広げるのが本橋恭弥が以前には使用できなかった新技の『
無敵時間やダメージ判定といった分かりづらいスキルに対し、五右衛門は未だ理解はできていないが、とにかく正面からのスキルは意味が無いと悟り、本橋恭弥から距離をとりつつスキルを仕掛け続けていく。
「『
「『
――パリンッ!
曲者と曲者の合戦は激しさを増していく。
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