第12話 『塵芥』
敵を滅ぼすことおいて、ウチの面々で誰もが認める『最強』の存在、今回の大事な戦に置いて俺を詰みに来る敵の主要戦力を破壊するため秘密兵器に抜擢されたハク。ポラールやイデア、シャンカラにデザイアが推薦するだけあって、誰かとの共闘は不可能なレベルな能力をしているが、単体なのになんという安心感だろうか。
――ゴゴゴゴゴゴッ!
「なるほど……神出鬼没にしてこの禍々しい力、王将を囮にするだけはありますな」
「マスターと同じぐらい舌が回るんだね」
「ハク……それは俺も馬鹿にされてる?」
「マスターは良いの♪」
『兎の理』で跳んできて、いきなり背後から『
ハクの一振りは『
ハクに魂ごと真っ二つされた巨人は轟音を響かせながら光の粒子となって崩れ去っていく。あんなにどうしようか悩んだのに簡単に消し飛ばすのを見てしまうと、やっぱこの世界は脳筋思考が1番なのかもしれないって感じてしまう。
『運命操作』だろうが『聖槍』としての力だろうが異能力を全て封じ、ハク以外は生まれたままの何も無い状態で戦うことを強いることのできる反則アビリティ『
「……『光の巨人』はそれなりに自信作だったはずなのですがな」
「マスターが1番大事な護衛に……ぼ、僕を選んでくれたんだもん。誰だろうと絶対に消し飛ばすよ」
「さすがハク……暴論だけど実現できるから最強!」
「へへっ♪」
『
ハクが消し飛ばせたってことは『光の巨人』とやらは何かしらの能力で俺やフェルがどう対処するか悩ませるような耐性を持っていたってことになるし、『
しかし、こんな状況になっても『
「まぁ……ここでハクに斬られてもどっかしらで蘇ってくるんだろう」
「さすがは『原初の魔王』に選ばれしプレイヤーであるな。その通りなのである」
「羨ましい能力だよ……何回かは簡単に死ねるなんてな」
「吾輩は『
「……ムカつく」
「こんなにも呆気なく散るのは誤算ではあるが……我らの想定とは違う敵が来てしまったモノは仕方ないということにしておこう」
――ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!
『
ここで『
このままだとハクが周囲をまとめて吹き飛ばしてしまいそうな1撃を放ってしまいそうなので、止めておくべきか。
「『
「……ん?」
禍々しい『
わざわざ『
――シュンッ
「『
「…な、何を……?」
――ゴトッ
俺がツッコミを入れる間もなく、『
あまりにも一瞬のことで言葉がでないんだけど、『
気付けばフェルが凍土にしていた場所も更地になり、光の粒子となって消えていく『
「効いてそうか?」
「自分で唯一無二のなんちゃらって言ってたからやってみたんだ」
「『
まぁムカついたから『聖槍』ってのを根本から滅ぼしてやろうってノリで『
『
ハクはこの世界の戦いを根本から否定するような王様能力持ちなので、対策できなかったと考えていいのだろうか?
「ハクの安心感凄い」
「やった♪」
「ガウッ」
ハクのウサ耳とフェルの体毛を楽しみながら、俺たちは今後何をしていくのがこの戦いを終わらせられるか考えてみる。
阿修羅に五右衛門、外からバビロンにシャンカラといった面々が王都に湧き出ている化け物たちを討伐してくれているので、そっちに合流しても良いんだが、こんなに呆気なく行き過ぎると誘われている気がする。
もし『
「シャンカラが1度やったけど……何が眠ってるか怖いんだったら丸ごと吹き飛ばすか?」
「僕はその意見に賛成だよ!」
「……みんなの意見を聞くか」
もしかしたら、今までやったどんな作戦よりもぶっとんだことをするかもしれない流れになったが、何が待ち構えているか怖いので仕方がないと自分の中で言い聞かせることにしよう。
『女神』相手に出し惜しみなんて意味無いし、慎重に行き過ぎて相手に万全な対応をされたくもない。
「魔王らしく行きますかね」
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