第19話 『帝都制圧』
フェルナンドは『女神の力』『
『大罪』の魔物たちが放つ理不尽なまでの妨害能力に対抗でき、正面向かって戦えるまでの耐性と、限界を超えたレベルをもたらし、凄まじいステータス上昇になる『女神の力』。
味方に多大なバフ、敵に強力なデバフ、そして並の守りなら無きものとして消し飛ばすことのできる崩壊の力を持ち、帝国騎士団でも万能かつ、強力な力である『
守ることや味方を支援する力もありながら、操作できる者の運命を自然と動かし、自身が勝者となれるように様々な効力が働く摩訶不思議系能力である『
どれも人間が持つには強大であり、伝説や神話で語られるSSランクやEXランクの魔物であれ、1対1で戦っても問題無いレベルの力である。
「……慣れぬ力、汝には過ぎた力であったな」
「何故だッ!? ……『
「0%は何をしようとも覆らぬ。その力は不可能を可能にするものではなく、1%を少しずつ100%に近づけるものである」
「女神の力をもってしても……届かぬ存在だと言うのか?」
「如何なる『神』であれ止めることは出来ぬ存在こそ、我ら『大罪』なり」
女神の力によって、さらなる高みへと昇華した『
しかも、フェルナンドのスキルを吸収するたびに大きくなり、気付けば3mほどの大きさへと膨れ上がった『
スキルを受け止め、そのスキルの完全耐性を持った新たな『
「実力差を測る術を持っておったら、そうなることは無かったかもしれぬな」
「……だとしても、無抵抗で帝国を渡すつもりは無い」
「良い心がけなり、此度の戦は我らが優勢、主の都合ではあるが利用させてもらうとしよう」
「ぐおぉぉぉぉぉぉッ!?」
――ギュルギュルッ!
周囲を囲っていた『
帝国最強騎士の叫びを聞きながら、『
4本の腕の先に四大元素の色をした球体が創り出される。
その球体から魔力のような何かが城の跡地を覆うように広がっていく。
「主の許可を貰い次第始まるとしよう」
『
◇
「やっぱLv差100ってのは、女神の力があっても変わらないな」
「ただでさえ『
「持て余してたから、もっと女神の力と『
「3時間ほどで『
シャンカラとフェルナンドの戦いは想像以上にアッサリと終わった。
フェルナンドが力を持て余していたことが一番の勝因であり、シャンカラの『
『
シャンカラが言うには、『
「ボロボロになった帝都、それに城を再生、女神の力を得た帝国最強を味方側につけるために『
「城の方は終わったようですね」
『
フェルナンド相手に使用したので、女神の力を警戒してかと思いきや、最初からフェルナンドを処理したあとのことしか考えていなかったようだ。
使い慣れない力を得たフェルナンドの底を素早く見抜き、今後の計画のために利用する。
女神の力が入っていたことを加味して、耐久力と対応力の優れた『
「みんな頭良すぎて、俺の必要性が危ういな」
「魔王戦争までには自信をつけてくださいね?」
「『七元徳』と女神には、今回の戦い確実に観られてただろうからな。それを踏まえて準備しなくちゃいけない」
「『美徳』の1つを倒したので、作戦会議をしなくてはいけませんね」
「次は『七元徳』との大勝負だからな」
帝都制圧は終わったと見て大丈夫そうだ。
油断したところに乱入者が来る可能性が0というわけではないが、俺たちがやりそうなことを警戒しないわけは絶対に無いので、そんな輩がいたら滅殺する準備もすでに済ませてある。
今回の戦いで、『七元徳』との魔王戦争においても、最終目標に到達においても、かなり重要な情報をいくつか手に入れることができた。
「俺の戦い方や考え方は知られたが、俺も『七元徳』と『女神』の一部を知れたな。この世界についても色々確信が持てたし」
「『海賊』と『異教悪魔』との戦争がありながら、『七元徳』が幹部クラスを単体で戦わせるのは意外でしたね」
「一体逃げたらしいからな。まさかウチの面々がLv上限に近いのばかりだなんて思わなかったんだろうし、少し甘く見てたんじゃないかな?」
『原初』の爺さんと『女神』が創造した世界。
『女神』が創り出した部分と、『原初』が創り出した部分で互いの性格がよく出ている感じがする。
2人に共通しているのは、思ったよりも作り込みが適当で、曖昧な感じで『人』や『力』を創っている感じが大きい。
「適当さに助けられているところもあるんだけどな」
「残りは任せておいても大丈夫そうですが、『罪の牢獄』に戻りますか?」
「そうだな。お留守番組暇だろうから、次の仕事について話をしに行くか」
「シャンカラは終わり次第、デザイアと帰ってくるでしょうから安心ですね」
フェルナンドが『
何気にDEを消費せずに、帝国騎士の装備をいただけたし、死体からスケルトンも制作できたようだから、バビロンとイデアが部隊編成の仕事で忙しくはなりそうだし、メルとデザイアで今回喰らった者たちから情報を得ることやらで、戦争後は得るモノが多いけど、忙しくて気が滅入ってしまう。
「やらなきゃ進めないから仕方ないな」
気だるい呟きを入れつつ、ポラールの転移術で『罪の牢獄』に戻ることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます