第18話 『世界』は廻る
女神の強大な力を纏い、さらには帝国皇帝であるガイストスを殺し、能力を使用したことで『
普通の魔物では怯えて動けなくなるようなほどの力を纏い、ソウイチに剣をむけるフェルナンドに正対したのはシャンカラ。
デザイアの『
「『
「『
――ドシャァァァァンッ!
フェルナンドの放った渾身の斬撃と、シャンカラの身体から溢れ出した神気がぶつかり合い、凄まじい衝撃波が生じる。
あまりにも強大な衝撃波は、玉座を吹き飛ばし、城の大半を粉々に消し飛ばしてしまうのであった。
◇
「城が吹き飛んだな。助かったよデザイア」
「せっかく『
「転移に別結界に作成まで、仕事が速いですね」
「次こそ寝るから後は頑張るんじゃぞ」
「……バイバイ」
他の団長格とは比べ物にならないほどの女神の力を纏い、帝国皇帝さんの『
俺たちはデザイアに城近くに転移して逃がして貰った。
『
城にいた騎士団員やその他の人々は、今の2人のスキルで消し飛んでしまったようだ。見境なしってのは恐ろしいもんだ。
これ以上は仕事が無いと判断したデザイアは、再び次元の狭間へと戻っていった。
「あれだけの建物が吹き飛ぶと、さすがに砂煙が凄いことになっているな」
「この視界でも、異質な気配を2つしっかりと感じ取れますね」
「……シャンカラのほうが全然強いよ」
舞い上がる砂煙の中から感じる強大な2つの圧。
少しずつ砂煙が晴れると、そこには巨大な4つの顔をもったシャンカラがおり、フェルナンドは女神の力なのか、身体から黄金のオーラを溢れさせている。
シャンカラの『
四方を向く4つの顔を持ち、4本の腕と、かなり目立つ巨大な王冠、巨大な蓮に鎮座する巨人。
「『
「ますたーの好奇心を満たすために耐久タイプ」
「そんな余裕ある相手なのか?」
「リトスが食べた神熾天使と同じくらいでしょうか?」
元は人間が『七元徳』が誇る神熾天使のと同レベルまで強化された。正直とんでもない強化幅だ。
『
元のLvが300くらいだったとしたら600は上がってることになる。完全に人間の枠組みから外れて、こっち側の存在になったみたいだ。
人間をここまで強化できるのならば、魔王を強化したら凄いことになりそうだけど、原初爺さんが魔王側、女神が人間側で手を出せる範囲が決まるっぽくて助かったな。
「ちなみに『
「『完成・衰退・崩壊』の3点が特徴でしょうか? 今の姿は『崩壊』部分に特化したようですね。シャンカラは、その部分を理解して『
「騎士様が放ってきたスキルに後だしで合わせてたから、そういうことなんだろう」
シャンカラに下手な能力は通じず、シャンカラ自身も相手をデバフするようなアビリティは持っていないため、シャンカラの自己バフと、相手の自己バフを覗けば、単純な力比べになるだろう。
シャンカラの『
「……シャンカラ、この城再生させるつもりだと思う」
「そういう意味での『
「なるほど」
メルが教えてくれたおかげで、シャンカラが『
消し飛んだ城も、巻き込まれてしまった騎士団員たちも、帝国最強騎士さんを相手取りながら戻していこうって狙いだそうだ。
シャンカラが判断したなら大丈夫だろうと思いつつ、俺はシャンカラの配慮に感謝して、帝国最強と女神の力が合わさった怪物を観察することにした。
◇
「……随分な化け物に変身したようだな」
「我が名は『
「女神様は俺に魔王の力をも弾けるだけの守り、そして『
「女神とやらに、我らの力がその程度で対抗できると思われては心外であるな」
「『
――ゴウッ!!
フェルナンドが『
『
結界や壁を分解しながら突き進んでくるスキルなため、ただ止めるだけでは意味が無く、避けるのが賢明ではあるが、フェルナンドは連撃で『
「その巨体では躱せまい!」
「『
――パリンッ!
『
触れたモノを分解し、崩し消し去っていく『
「小賢しい! 『
「悪手なり」
――パキパキッ
一度『
新しく誕生した『
『
「どうなっている? 何故崩れ去らない?」
「その程度で我が力を除けるには傲慢が過ぎる」
「ならば! 『
「結果は変わらぬぞ」
――ドドドドドドドッ!
フェルナンドの周囲にいくつもの魔法陣が生成され、そこから白銀の砲撃が何発も放たれる。
『
しかし、『
女神の力で大幅強化されたはずの『
「一体……どうなっているのだ?」
「汝に苦獄の世界を創り出してやろう。その苦獄を抜けしとき、真なる帝国の守護神として生まれ変わるのだ」
「ふざけたことを抜かすな! 化け物風情がッ!」
――ゴウッ!
フェルナンドは、この状況化で余裕を見せる『
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