第13話 永劫回帰する『蛇』
ニーズヘッグが満足そうにアイテムを選び終えて、俺が画面をタッチするのを待っている。
もしかしてだが、今ですら大きいのに、これ以上大きくなったらどうするんだろうなと感じてしまう。
先にエリアを作ったほうがいいのか??
「ご主人様、大きくなっても一旦時空間魔法で跳ばせますよ」
「そりゃ安心した」
ポラールに心の内を読まれてしまったが、対応してくれるなら安心できる。俺はニーズヘッグの頭を撫でながら画面をタッチする。
ニーズヘッグが選んだアイテムを再度確認をしてみる。
1.魔名カード『神喰らい』 ランクEX
2.魔名カード『覇道』 ランクSS
3.魔名カード『大罪』 ランクS
4.聖魔物『神秘性を纏う皮』 ランクEX
本当にみんな『大罪』を選んでくれる。先輩たちが選んでいくからだろうか? 『大罪』持ちになる魔物には真名をあげるという心の中で決めている俺からすれば、このペースだと真名付与回数が限度になりそうなので、少し不安だが、こういったものは早めに全部付与してしまったほうがいいのかもしれないな。
俺自身が配合されるなら全部EXランクで埋めそうなんだけど、みんな自由に選んでそ全員成功してきてるからなんとも言えない。魔物の直感ってのがあるんだろうか?
ニーズヘッグに4つの光が吸い込まれる。
「大きくなれよ……『ウロボロス』」
と言ったらどんどん大きくなっていく。
そこそこ広いはずの「地獄の門」ですら不安になるほど大きくなっていく。
とりあえずアイテムはコアに戻して全力で避難する。
エリア壁際をクルクル巻いて納まるような体勢になってようやく現れたのは、超巨大でそれに見合う羽をもっている竜か蛇か分からない生物。
銀・青・紫と鮮やかの表皮が美しいけどデかすぎるよ…。俺を餌として見ないでくれよ?
【ヨルムンガンド】 神蛇族 ランクEX Lv980 固定
真名 ウロボロス 使用DE??
ステータス 体力 EX+99 物理攻 EX+99 物理防 EX+99
魔力 EX+85 敏捷 SS+60 幸運 SS+82
アビリティ ・『
・『
・『
・天地を壊す者 EX
・永遠の牢獄 EX
スキル ・『
・神殺毒 EX
・極時空間魔導 EX
・究極錬成 EX
・因果律喰尽 EX
・無限再生 EX
・???
・『
・懐かせないと主ですら魂ごと全ての時間軸から消滅させられるので注意。
「とりあえずエリア作るから待っててくれー!」
巨体にビビり散らかした俺はウロボロスに出来る限りの叫びをあげた。
◇
――『罪の牢獄』 ダンジョンエリア 永久天地
ウロボロスは新エリアを作るまで時空間の狭間でお昼寝しててくれた。基本は次元の狭間とかいう異空間を泳いでいるそうなのでエリアはどんな形でも良さそうだったのだが、とりあえず広いだけのエリアを作成した。
階段なんて広すぎて見つけられないだろうから、冒険者にはウロボロスがやられれば自動的に下の階へ行けるように設定をしておいた。
今はウロボロスに乗って、新エリアの空をゆったり飛んでいる。ぶっちゃけウロボロスに乗れば世界一周がすぐ終わってしまいそうなのが面白いので、いつか試してみよう。
だが時空だろうが次元だろうが全ての壁を渡れる能力があるので、どこへだって行けてしまうのが恐ろしい。というか説明だけじゃよく分からない。
つまり基本どこでも行ける魔物のようで、もちろん魔力を消費するので無制限というわけではないが、さすが『極時空間魔導』って感じだ。
頑張って転移魔法陣を設置していたのが悲しくなってくるよ…。
「それにしても気持ちが良いなぁ~」
ウロボロスも気を使ってくれてか、同じ体勢でゆっくり進んでくれている。
伝わるか分からないけど、とりあえず撫でておく。空を自由に泳ぐのは気持ちが良いのか機嫌はなんとなく良さそうだ。
まさかアークよりも長い魔物が仲間になるなんて思ってもみなかったので混乱してしまう。
こんだけ大きくてどこにでも跳べるのに、毒が攻撃のメインってのが可愛い。
でもウロボロスの攻撃で死んだら復活不可ってのがエグすぎるよ。
しかも魔力が残っていれば自分は勝手に復活する反則能力持ちだ。
「レーラズに遊びに来させるから乗せてやってくれよ~」
相変わらずシンラと同じで鳴き声をあげてもくれないのはツンデレなんだろうか? この大きさだから鳴いたら咆哮となって、とんでもないことになるから黙っているだけなんだろうか?
カーバンクルはすぐ鳴くのにな。
「ウロボロス! 1時間昼寝させてくれ」
あまりの気持ちの良さに眠くなったので、ウロボロスの上でお昼寝することにした。
ダンジョンエリアも新しく追加できたし少しくらい休んでも大丈夫だろう…。
ダンジョン名 『罪の牢獄』ダンジョンLv32 知名度B 総合A(難易度EX)
迷宮都市 街 ルジストル・ホムンクルス多数+リーナ 難易度 無
1F 薄暗い洞窟 ゴブリン集落+スライム+一角ウサギ 罠多数 F
地下1F 朽ちた街 スケルトン+子蜘蛛 『銅』の軍勢化 D
地下2F 湿地帯 スケルトン(泥纏い)+血吸い蠅+スライム C
地下3F 灼熱火山 炎腕魔王イブリース(メル分裂体のためランクS) B
地下4F 破裂の黒森 偽金剛蜘蛛+偽火竜+偽狼軍 S
地下5F 暗黒遺跡 デザイアが創り出した生命体たち SS
地下6F 闘技場 スケルトン+全滅したら出てくるアヴァロン EX
地下7F 骨塗れの山 スケルトン+バビロン EX
地下8F 永遠の星空 ガラクシア EX
地下9F 暗黒湿地帯 五右衛門 EX
地下10F 星海 メルクリウス+スライム多数 EX
地下11F 永久天地 ウロボロス EX
地下12F 鬼の花道 阿修羅 EX
地下13F 白の塔 イデア EX
地下14F 地獄の門 ポラール EX
異空間 星屑の祭壇 デザイア EX
居住区 果樹園 レーラズ+カーバンクル EX
コアルーム ソウイチ シンラ(各階層にランダム出現) EX
◇
――『罪の牢獄』 居住区 ソウイチの部屋
ウロボロスのおかげで最強の移動手段を得たから作戦の幅が無限大になってしまった。俺の頭だと今のところ活かしきれない予感しかしないが、焦らずじっくりと考えて行けばなんとかなるはずだ。
それと地味に残り少ない真名枠になったのでなんだかんだ速かったなって思う。
「準備して「サソリ大砂漠」に挨拶しに行ってみよう。当初の目的を果たすことが先決だ」
ウロボロスがいる準備もクソも無さそうなのだが、この考えは甘くてウロボロス並みに大きい魔物はきっとどこかには存在するだろうから、そういった相手を想定しなければいけない。
ウロボロスより大きいサソリがいたらどうしようか…。
ゴロゴロしながら考えていると誰かが部屋の扉を開けて入ってくる。
「ご主人様、本日は私の番です! よろしくお願いします」
「何回目か分からんけど誰がそんなルール決めたんだ?」
「申し訳ありません。お答えできません」
何時から始まったか覚えていない夜に誰かが訪れて一緒に寝るシステム。
ポラール・ガラクシア・メル・イデア・デザイア・レーラズが順番でやってくるルールになっている。
今日はポラールのようで可愛らしい寝間着を身に着けてやってくる。ドレスと同じカラーリングを寝間着でも使ってくるあたり拘りを感じる。
最初はオドオドしてたくせに、今では慣れた感じで横まで入ってきて楽しそうに笑っているのだから慣れというのは恐ろしいもんだ。とりあえず可愛い。
「失礼します」
「はいはい…」
未だに照れてしまう俺がおかしいのだろうか?
隙間なく引っ付いているポラールにドギマギしながらも、いつも通りのんびり寝るまで話をしようと会話を考える。
「明日はお留守番頼んだぞ」
「はいっ、お任せください」
「ポラールが留守番ならどんだけ離れてても安心だな」
「出来れば1日で帰ってきてください。やはりご主人様がいないと、みんな不安ですから」
「そういうもんかな?」
「そういうものですッ!」
『
もちろん俺が死んだら終わりってのはあるけど、戦闘になれば特に必要ないからな。戦略といっても今のところパワープレイでどうにかなることが多いので、気を付けるは組み合わせや配置だけだ。
「ご主人様が何と言おうと、我らが王はご主人様だけです」
「じゃ~これからも頑張らないとな」
「頑張りすぎも注意してください」
「厳しいリーダーだな」
ずっと話してるとボロが出て怒られそうなので、話を終わらせるようにポラールを抱きしめて寝ることにする。
嬉しそうな声が聞こえてきたがスルーして、ポラールの温もりを感じながら羊を数えて寝るかな。
明日から「サソリ大砂漠」、できれば良い話をできればありがたいけど、戦うことになったらしっかりいこう。
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