第15話 探し続ける『準備』


 ソウルロイドを入手してから5日ほど経ち、ようやく落ち着いたのでダンジョンを閉じてからみんなで作ることにした。

 自分たちが人間世界に紛れ込む、冒険者という普段はダンジョンにやってくる敵になるのは未知の世界なのでみんな楽しみにしていたそうだ。


 ソウルロイドから伸びているコードのようなものをコアに近づけると見事にくっついて、コアのモニターの1つが変化した。



「なんだか面白そうだよねー♪」


「これを参考にして冒険者型魔物を創ってみるのも面白そうかもね」


「儂やりたかった!」



 各々が盛り上がっているようで、今日も平和だということが分かる。

 モニターに表示されたのは『ディザイア・オンライン』という文字。


 そして画面が切り替わり、簡単なルールが表示される。ここは確認済みだから大丈夫なはずだ。ちょっとワクワクして何回か見返したのは内緒だ。


 しっかりみんなで確認してから次に移る。



『必須:キャラクター名を決めてください』



 まずは冒険者になるためにも名前を決めろってことか。

 確実に俺に関連するような名前はやめたい、もしかしたら世間に出た時にバレてしまう可能性があるかもしれない。

 でも覚えやすい名前にしたいから難しい……。



「次郎丸でどうじゃ! 儂と似とるし覚えやすいじゃろ!?」


「ダサい」



 五右衛門が騒いでいるがメルに却下されている。

 他にも色々意見を言ってくれるが、なかなかピンとこないな。

 まさかいきなりこんなに悩むとは思わなかった。



「『フォルカ』なんてどうですか? 簡単で覚えやすい」


「ここはリーダーの意見でいいんじゃない~?」


「そうするか」



 ポラールの意見通り、キャラクター名はフォルカにする。

 性別は男性で、身長は俺と同じくらいにしておいた。

 髪型は赤にして、少し分かりやすいと言うか覚えやすいように左右非対象ってやつを選択しておく。



『必須:メインジョブとサブジョブを選択してください』



 また長くなりそうな決め事だ。でも冒険者をやる上で一番大事かもしれない部分だ。

 後ろで各々の得意なジョブを叫んでいるが、とりあえずは無視しよう。

 ジョブはLvがあり、上げることで分岐ができて進化していく形のようだ。


 人気ランキングというのも載っていて見てみるとなかなか変わり種が人気のようだ。

 侍に双剣士、魔剣士に召喚士なんかが上位にいて、よく見る騎士や魔法使い、狩人や片手剣士なんかが中位にいる。

 数が多すぎてどうすればいいか悩むな。別に好きなジョブとか無いからな。



「マスターが戦い方を知っておきたいジョブにするといいよ」


「イデアの案でいくか」


 

 やっぱり剣が人気みたいだから剣士の動きを知るために基本的な剣士のジョブである『片手剣士』と魔王として勉強するべきである『召喚士』を選んだ。


 メインを『片手剣士』でサブを『召喚士』で決定した。



『必須:初期ステータスに追加ポイントを割り振ってください』



 なるほど、人と魔物ではステータスの考え方が違うし、これのほうが魔物より詳しく数値が出るんだな。

 とりあえず追加ポイントが3あったので、体力と物理攻と魔力に振っておいた。



 【フォルカ】 人間族 男性  年齢18歳  Lv5

        メインジョブ  【片手剣士】

        セカンドジョブ 【召喚士】

       HP 120  MP 40  

       攻撃力 16  防御力 12

 ステータス 体力 6  物理攻 8  物理防 6

       魔力 5  敏捷 4  幸運 3

 

 アビリティ ・剣士の心得 G   ・剣技の威力が1.1倍になる。

       ・召喚士の心得 G  ・召喚獣の全ステータスが+1される。

                  ・召喚魔法の消費MPが4/5になる。


 スキル   ・片手剣技 G  ・Gランク以下の剣技が使用できる。

       ・召喚魔法 G  ・契約獣無し。


 割り振りポイント 残り 0 



 みんなあまりの弱さに嘆いている。

 しかも人間は限界Lvが決まっていて、基本的に250が上限のようだ。


 生まれたばかりで弱いのは仕方ない。ここから成長していって高みを目指すのが冒険者だから仕方ないのだ。

 

 だが俺としては各地を偵察する役目にしたいので世界を渡り歩けるようになれればいいなと思っている。


 ちなみに装備は初期は何もないようなので手に入れないといけないし、最初のステータスがこれではゴブリンですら厳しいのでコツコツやらないといけない。

 

 キャラクター設定を終了するとソウルロイドが輝きだして、設定した通りの姿になった。

 そして【フォルカ】の視線がモニターに映し出される。

 動きは俺の脳波で動けるらしく、少し慣らせば自在に動けるようになりそうなので戦闘も問題なさそうだな。


 そしてDEで少しブーストできるし、イデアの力で装備を作り出せるそうなので、いきなりLvを上げをコツコツやるのは時間の無駄なのでできる限り強くする。



【フォルカ】 人間族 男性  年齢18歳  Lv50

        メインジョブ  【ソードマスター】

        セカンドジョブ 【中級召喚士】

       HP 355+40  MP 485+110  

       攻撃力 180+132  防御力 162+60

 ステータス 体力 16+55  物理攻 18+72  物理防 11+70

       魔力 13+84  敏捷 11+70  幸運 8+35

 

 アビリティ ・剣士の心得 B   ・剣技の威力が1.3倍になる。

       ・召喚士の心得 B  ・召喚獣の全ステータスが+5される。

                  ・召喚魔法の消費MPが3/5になる。

       ・攻魔一体 B    ・攻撃力+10 MP+10される

                  ・スキルの使用MPが-3される。

       ・戦場の指揮官 B  ・味方の全ステータス+2

                  ・自身と味方が洗脳・混乱にかかりにくくなる。


 スキル   ・片手剣技 B  ・Bランク以下の剣技が使用できる。

       ・召喚魔法 B  ・【氷月狼ハティ】ランクA

       ・付与魔法 C  ・Cランク以下の付与魔法が使用できる。

       ・移動技法 C  ・Cランク以下の移動技法が使用できる。

装備

武器     ・偽神魔剣アルファ SS ・攻撃力+47 物理攻+22 魔力+20

防具     ・偽神一式     SS ・攻撃力+60 防御力+60 体力+40

                    MP+100 物理攻+40 物理防+60

                    魔力+54  敏捷+50 幸運+25

アクセサリー①・偽神の指輪    SS ・全ステータス+10

                   ・全ダメージを10%カット

アクセサリー②・偽神の腕輪    SS ・攻撃力+15 敏捷+10

                   ・毎秒体力を1%回復する。


 割り振りポイント 残り 0 


 

  

 イデアの装備のおかげでとんでもないことになった。

 DEで上げられるのはLv50までだったが、イデアが創ってくれた装備でいきなりSランク冒険者のようなステータスを持ってはじめることができそうだ。


 アビリティとスキルは戦闘中に開花していくものらしいので、そこも勉強しなければいけない。

 氷月狼は上手く契約に応じてくれて今後一緒に戦ってくれるそうだ。

 

 このキャラが動きやすくなるために「紅蓮の蝶々」にオープル、ビエルサ辺りに話をして手伝ってもらえばスムーズに冒険者としてやっていけるだろう。

 どうにかして「プレイヤー」と勇者に近づいて色々引き出せればと思うし、なんなら帝国なんかにも忍び込めたら最高だな。



「もしかしたら多くの魔王がこれを使う日が来る可能性もゼロじゃないな」



 EXランクの魔物を7体配下におければ手に入るソウルロイド、もし多くの魔王が手に入れることができたら、冒険者パーティー全員魔王が操作してますってことになるのかもしれない。

 

 今日は操作訓練だけ行い、みんなやりたいようだったので居住区限定で自由にやらせた。

 メルの分裂体でもやれるのは凄いことだな。

 阿修羅と五右衛門あたりが楽しそうにやっていたが、自分のいつもの動きとのギャップが大きすぎて苦戦していた。


 オープルに頼み込んだらちょっとした魔物退治してくれれば個人ランクCまでは勝手な判断でできるらしいので認定してくれるようだ。職権乱用ってやつだ。

 それ以上は世界各地に居るお偉いさんからの許可も必要になるからすぐにはできないそうなので頑張ってくれだそうだ。

 

 あまり【フォルカ】での時間を増やせそうにもないが、ミルドレッドを追い込んだ奴を探し出すためにも、使えるようになって少しでも情報を得る選択肢を多くしなくちゃな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る