第3話 忘れていた『実績』報酬
街づくりをはじめてから7日が経った。
コアを触るとDEを消費して無駄遣いをしてしまうから触らないようにしていたが、アイシャと同盟も組んだし、最近実績プレゼントを確認してなかったので見てみることにした。
もっと早く確認すべきだったと後悔するラインナップが並んでいた。
1.初めての街づくり記念 【1000DE】
2.ランク2以上の街を作った記念 【2000DE】
3.ランク3以上の街を作った記念 【街専用ホムンクルスセット】
4.Aランク以上パーティーが拠点にした記念 【ダンジョン経験値2000】
5.Sランク以上パーティーが拠点にした記念 【農家専用ホムンクルスセット】
6.Aランク以上冒険者が拠点にした記念 【ランダムBランク魔物獲得チケット】
7.初めての同盟記念 【3000DE】
8.Aランク以上の魔王と同盟を組んだ記念 【2000DE】
9.Aランク以上のパーティーに勝利した記念 【兵士ホムンクルス6体】
10.Sランク以上のパーティーに勝利した記念 【ソウルピック10連チケット】
11.Aランク以上の冒険者に勝利した記念 【10000DE】
くそ! プレゼントを確認するのを忘れるなんてなんたる失態だ!
とりあえずDEを手に入れてしまうと何か買いたくなるのを我慢して他のを見て行こう。
【街専用ホムンクルスセット】は魔王のランクに応じた能力値を持った街を発展させるのに役立つ人型ホムンクルス10人という今一番必要なセットで笑った。
そして初めて『大罪』がSランクで良かったと思った。
各ホムンクルスの配置はみんなで相談することにしよう。
【農家専用ホムンクルスセット】は同じようなもので農家専用で便利なもんだな。アウラウネの言うことをしっかり聞ける人材の心配も減ったし、俺のランクに応じたもんだから良い能力を持った農家ができたぞ! しかも5人!
【兵士ホムンクルス6体】これは街の治安を維持するための兵士として使用できて2体ずつを門番にして2体を街を徘徊するようで配置する。これもなかなかの能力値で『大罪』がSランクで本当に良かった感謝。
そして久々のガチャタイムだ。
まずはBランクの魔物を見てみよう。Gランクしか召喚できない俺にとってチケットのみが完全に新しい魔物を呼べるので生命線だ。
画面をタッチすると眩しい光の演出があり、久々のドキドキとともに現れたのは人型の魔物だった。
【知恵精霊ルジストル】 精霊族 ランクB 真名 無し 使用DE1000
ステータス 体力 D 物理攻 E 物理防 D
魔力 A 敏捷 D 幸運 A
アビリティ ・運営術 S
・交渉術 A
・統率力 A
・動じない冷静さ B
・優しき王様 A
スキル ・土魔法 B
・危機察知 A
・読唇術 B
紳士服を着た初老の男性、緑色の眼鏡をかけており少し洒落ている。
これは街の管理者ルートだな。
魔王戦争のときには完全に指揮官として1つのエリアを任せられるレベルの能力を持っている。
直接的な戦闘能力は抑えめだが『黎明の三柱』が他の魔物との共闘ができないと考えると貴重な魔物だ。
「よろしくお願いいたします閣下」
「もう自分が何を頼まれるか分かっているんだろう?」
「もちろんでございます。すぐにでも取り掛かりましょう」
泣きそうになった。
こんなに話が分かる魔物だなんて感動だ。
俺は魔王の中で一番ガチャ運がいい魔王なのかもしれない!
この流れで【ソウルピック10連チケット】を引いてしまおう。
本当は魔物がもっと欲しいけれど魔名カードと聖魔物だけでも仕方ない。
強力な物ばかり出るから引いておこう。
1.魔名カード『創造神獣』 ランクEX
2.魔名カード『熾天使』 ランクSS
3.魔名カード『聖槍』 ランクS
4.魔名カード『真祖』 ランクEX
5.魔名カード『魔武器』 ランクA
6.聖魔物『神の造りし粘土』 ランクEX
7.魔名カード『天炎』 ランクS
8.魔名カード『魔導図書館』 ランクSS
9.聖魔物『66色の絵具』 ランクEX
10.魔名カード『神喰覇龍』 ランクEX
11.魔名カード『獅子王』 ランクS
相変わらず2種類だけなんだけど凄まじいランクの並びだ。
粘土やら絵具がなんでEXなのかは分からないけど、きっとこの2つを求める魔物がいるんだろうから大事な物なんだろう。
こんだけたくさんあるんなら、アイシャやミルドレッドと何かトレードを持ち掛けても面白いのかもしれないな。
俺はとりあえず皆を集めて、ホムンクルスとルジストルについての紹介と役割分担を決めることにした。
◇
街のインフラ整備を無事終わり。気付けば魔王戦争から30日くらい経ったかな?
ルジストルとホムンクルスたちのおかげで治安も規定も安定してきており、本当に重要なことでない限りのことはルジストルとリーナ、「紅蓮の蝶々」に任せている。
「紅蓮の蝶々」に憧れた冒険者1~2年目くらいのパーティーが街を拠点にしてくれるようになってきて嬉しいことだ。
俺たちのいる帝国領でも一番南にある大森林なんて余程のことが無い限り近づかないような地域なので、いきなり人が来てくれるのは嬉しい悲鳴だ。
アウラウネとホムンクルスが頑張ってくれている農業、アウラウネが好きな果物が人気なようで大評判だ。
虎蜘蛛の蜘蛛糸やシンラの羽根なんかも大人気で2匹的には何気なく出ていくものが珍しいランクのものだから大人気だ。
コアに1通のメッセージが来ている。
「沼地か…最悪だな」
魔王戦争3日前になりアイシャから戦場決定の報告メッセージが来ていた。
よりにもよって「沼地」ってのは最悪だ。
アイシャの魔物と相性が悪いだけじゃなく、相手の「沼」「茨」辺りはかなり有利に事が進めることができる戦場だ。
『豪炎』にとっても相性が良くないってのが不幸中の幸いではあるけども。
戦場が確定したことで戦略も一部見直さなくてはいけないし、相手の出方も予測しなければいけない。
メッセージの最後には大丈夫と書かれているが本当に大丈夫なのだろうか?
そしてアイシャからたくさん策を一緒に考えてくれたお礼ということで、アイシャのダンジョンでよく採れるらしい黒曜石をたくさんくれた。
「家具にでもするか」
最近嵌っているスライムを膝を上にのせてプニプニするのを繰り返しながら使い道を考える。
スライムも嬉しそうにプルプル震えてくれるので可愛い。
「俺も色々手伝ってもらってるし、プレゼント贈っとくか」
アイシャの戦争に秘策になるようにプレゼントを選択して送信した。
もしタイミングが合えば切り札に成りうるかもしれないと思っているので役に立ってくれると嬉しいな。
「それにしてもお前は可愛いな」
プニプニと震えて嬉しさを表現するスライム。
このスライムはお風呂掃除スライムとして初期から頑張ってくれており、いつも懸命にお風呂をピカピカにしてくれる可愛いやつなのだ。
なんだかんだアヴァロンよりも古参であるので、一番『罪の牢獄』で先輩なのかもしれない。
そして何度も言うが可愛い。
「そんなスライムも冒険者を倒すときは窒息死狙いってのがギャップ萌えだよな」
それしかできないんだよって感じでプニプニ動く。可愛い。
このスライムは生まれてから一度も戦ったこと無いけど、もし居住区まで侵入されたら出番になってしまうので守れるように頑張らないといけないな。
「さぁルジストルのとこ行って街の様子を聞きに行くか」
すでに街はルジストルとリーナが掌握していて俺の出る幕は滅多にないので立場的にいいのかなって思うけど2人がやっているほうがスムーズに事が進んでいるので呼ばれた時だけ仕事しよ。
正直、頭はアイシャの魔王戦争でいっぱいだがやることが多いのでスライムを可愛がりながら頑張ることにした。
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