第2話 『美少女』大正義
貰ったチケットから召喚したスケルトンソルジャーをとりあえず待機させて、大量に貰ったアイテムの中から、気になるものを使っていくことにする。
「【安心生活空間セット】か」
「ダンジョン内のどこかにソウイチ様が過ごしやすくなるような居住空間を作りだすものですね」
「それは重要だな」
さっそく使ってみることにする。
もちろん場所は入り口から一番遠く、コアからはなるべく近い場所だ。
作り出せた部屋は「お風呂」「食堂」「トイレ」「会議室」の4つだ。これの4つ増えるだけで凄く広くなった。かなり生活しやすくなっただろう。
とりあえずお風呂は露天風呂もあったので、風呂場掃除にスライムを召喚しておこう。
「次は【ランクD魔物獲得チケット】だな」
「ランダムではないので、ランクDの中から選ぶことができます」
「最高だな!」
【ランクD魔物獲得チケット】の部分をタッチすると、画面にランクDの魔物一覧が出てくる。
Gランクの魔物が知能が低いことを考えると、俺とコミュニケーションがとれて、ある程度の統率力と後方で活躍できる力が欲しいな。
「サキュバスなんてどうでしょうか? ランクDの中では魔力値が高く、飛行能力があり知能も優秀ですよ」
「なるほど、じゃぁサキュバスにするか」
決して煩悩に負けたわけじゃない! と思っておく。
サキュバスの部分をタッチすると、スケルトンナイトの時と同じようにチケットが現れて光り始めて、魔法陣から楽しそうな笑い声が聞こえる。
桃色のふわっとした長い髪を靡かせて、整った可愛らしい顔して浮いている悪魔、サキュバスが現れた。
服装が黒で統一されていてカッコいいが、なかなかの際どさで驚く、なんてジャンルの格好かよく分からない。
「こんにちはマスター、私はサキュバス、よろしくね」
「あぁ、色々負担かけると思うけど頼むよ」
【サキュバス】 悪魔族 ランクD 真名 無し 使用DE200
ステータス 体力 E 物理攻 E 物理防 F
魔力 B 敏捷 C 幸運 D
アビリティ ・淫魔の一族 B
・魔法耐性 D
・飛行術 D
・交渉術 C
スキル ・闇魔法 D
・淫魔法 C
・生活魔法 D
俺が召喚できる魔物たちと比べてしまうとぶっ壊れた能力値だ。
今の戦力では絶対に失うことができない魔物なのが確かだし、今後の生命線になるだろう魔物だ。
「まだ魔王になったばかりで、色々やってるから待っててくれないか?」
「新米さんだ~! わかったよ~また呼んでね♪」
やはり魔物にもそれぞれ意志があるし、種族ごとで性格やら何やら違ってくるだろうから特徴は掴んでおかないとな。
再び画面を覗いてアイテム欄を見てみる。次は【ランクC魔物ランダム獲得チケット】だな。
きっと再びチケットが手に入らない期間や配合とやらが解禁されない限り最高戦力になるであろう魔物のチケットだ。
「ソウイチ様、緊張なされてますね」
「他の魔王たちとはチケットの恩恵が違い過ぎるからな!」
意を決して【ランクC魔物ランダム獲得チケット】の部分をタッチする。
今までと同じような演出で魔法陣が現れる。
かなりドキドキする。でもこのドキドキが何故か少し懐かしい気もする。
魔法陣から現れたのは先のサキュバスとは正反対の「聖」の気配のする宙を浮いている白い翼をもつ存在。
プラチナブロンドの長い髪に琥珀色の瞳、そして立派なスタイル。とんでもない美人さんが現れた。
白と金で統一された軽鎧がとても映えている。
だけどこちらを見る感じが先ほどのサキュバスとまったく違う。
「アークエンジェル降臨しました。魔王であるご主人様ですが神のお導きがあらんことを」
「ありがとう、よろしく頼むよ」
「いつでもなんなりとご命令をくださいませ」
【アークエンジェル】 天使族 ランクC 真名 無し 使用DE350
ステータス 体力 C 物理攻 C 物理防 C
魔力 B 敏捷 C 幸運 C
アビリティ ・天使の加護 B
・武具の心得 C
・聖天使の力 C
・飛行術 C
スキル ・光魔法 C
・回復魔法 D
・剣盾技 D
サキュバスもぶっ飛んで強かったけど、基礎ステータスが凄まじいことになってるな。
アークエンジェルが魔物ってのに何故か引っ掛かるけど、こんなにも頼もしい前衛後衛が務められる魔物の存在は大きすぎる。
一応Gランク以外で3体の軸ができたのは大きいし、役割が万能に触れるアークエンジェルが来てくれたのは、戦力の幅が大きく広がった。
「【ランダムアビリティ1個】は魔物に1つアビリティつけれるってことか」
「その通りです。ちなみに同じアビリティになった場合はランクが1つ上がります」
「ソウルピックはまだ使えないし、とりあえず保留かな」
とりあえず使えそうなアイテムは使ったし、10日後にリーナ曰く大事なお達しがあるらしいので、それまでにどうにかダンジョンを運営する方法準備とDEを稼ぐことができるシステムを作らないとな。
「とりあえず呼び出した魔物と交流しつつ、一休みするか」
◇
「ねぇ~マスタ~! 罠づくり疲れたよ」
「まだ2時間しか経っていませんよ! 真面目にやりなさい!」
あれから5日が経った。
Gランクの魔物一覧を観ながら、どんなダンジョンにしようか悩みつつ、生活するにもDEいるので罠づくりに没頭している最中だ。
一角ウサギでは罠づくりの役に立たないので、2種類のGランクの魔物をDEを使って召喚した。
【ゴブリン】 小鬼族 ランクG 真名 無し 使用DE10
ステータス 体力 F 物理攻 G 物理防 F
魔力 G 敏捷 F 幸運 G
アビリティ ・小鬼の本能 C
・集団生活 E
・簡易武器使用 F
スキル ・危機察知 F
60㎝ほどの緑色の小鬼、何も持っていない時はそこまで脅威ではないが、集団で動く習性があるので1匹居たらたくさん居たと思ったほうがいい魔物。
基本的に本能のまま動いているが、統率者が居れば規律のある動きができる。
今はサキュバスの淫魔法の力で、ある程度思った通りに動いてもらっている。
【スケルトン】 アンデッド族 ランクG 真名 無し 使用DE10
ステータス 体力 G 物理攻 F 物理防 F
魔力 G 敏捷 G 幸運 G
アビリティ ・連携 F
スキル ・捨て身 F
大きさバラバラの骨だ、基本は人間型だから軽い物を運ぶことができるほどの骨の強さはある。
スケルトンソルジャーと一応魔王である俺の指示をしっかり聞いてくれる助かる人材だ。
ゴブリンを20体、スケルトンを50体、そして罠づくりに必要なスコップ等々の道具を作り出した。
他にも一角ウサギの追加したので5日間で6500ほどあったDEは3000ほどにまで減っている。
消費するだけかと思いきや、毎日朝5時頃になると、コアの画面右上の箱のマークのところに【100DE】+何かアイテムがプレゼントされるので大助かりだ。
とりあえず落とし穴とその穴に設置する竹槍を大量に製作中だ。
これを作っておけば、簡単な冒険者なら倒せるし傷を負わせることくらいはできる算段だ。
「マスタ~! 疲れたよ~!」
ギュ~っとくっついてくるサキュバス、スキンシップが少し激しいし愚痴は多いけど、なんだかんだ言った通りに働いてくれるから助かっている。
「またサボって! 真剣にやりなさい!」
魔物の軍勢内に混じる天使にはどこか違和感を覚えるが、誰よりも真面目に仕事をしてくれるし、サキュバスをしっかり監視してくれるので大助かりだ。
このまま行けば真名を与える最初の2匹は決まりだし、ソウルピックとやらが5日後に使うことができるらしく、魔王ごとにランダムで様々なアイテムや魔物が排出されるものらしい。
他の魔王内では「ガチャ」って言われているらしい。俺は『大罪』の縛りでピックアップとやらと排出される種類が固定になるから期待を大きくし過ぎると痛い目を見るからな。
ダンジョンレベルがプレゼントと罠を増やしたことにより3まで上がって、魔物のステータスが少し上昇したのと、ちょっとだけ広くなった。
ガチャとやらもダンジョンレベルに応じた者がピックアップされるらしいので、さらに期待できないから、きっと真名を与えるのはサキュバスとアークエンジェルになると思っている。
「Cランク以下に真名を授ける魔王は比較的に少ないですがやるのですか?」
「Gランクしか召喚できない俺からすれば宝のような存在だ。CとBの差は凄いらしいけど、いない存在に期待しても仕方ないからな」
「なるほど、真名を付けた後に配合しても真名は失われないので、そちらに期待ですね」
「Gランクの魔物と『大罪』の『魔名』、それとガチャで出た魔物か簡易魔名カードしか可能性がないけどな」
5日間でリーナに色々教えてもらった。
とりあえずダンジョンの名を広げて、冒険者を呼び、そしてダンジョン近くに街を作り発展させていくことができれば軌道に乗るそうだ。
数組の冒険者を倒すことができれば、少しずつ名前は広まっていくらしい。
まだ怖くて正式にダンジョンを開いていない俺からすれば先の長い話だな。
初日からダンジョンをオープンする奴もたくさんいるらしいけど、俺はせめてガチャを回しきってからにしたい。
「あと5日ですね」
「さっきからサラッと感情を読むのやめてくれないか」
魔王になって数日、まだダンジョンは平和である。
死なないためにも徹底的にやっていかないと!
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