第9話 世界地図(サーラ視点)

 ご主人様から出された今夜の宿題は世界地図。ソロバンの話も出たけれど、それは暇なときに試作してみよう。


 たしかに世界征服には地図が必要だ。長さの単位もこの世界では徒歩3日とかいうあいまいなものだ。きちんとした地図作製は世界征服の第1歩かもしれない。ナビ太郎を呼び出してみる。


「あんた本名なんていうの」


「守護霊ですから、ご主人様にしか本名は教えられません。命名はナビ太郎です」


「写真と動画の編集、良くできたわね」


「あれくらいなんでもありませんが」


「私の記憶の中にある映像でも同じことできる?」


「ナビに映し出してもらえれば可能です」


 記憶の中に、前世でドラゴンとつき合っている時に見た、この世界の映像がある。その中から10万枚くらいをナビの画面に映し出してみた。


「いきなりたくさんですね。でも一旦ナビに映しだされたものは、記録し、編集可能です」


「頼もしいわね。やってほしいことは、この写真をつなぎ合わせて、巨大なこの世界の地図を作ること。単位はメートル法で。ご主人様の身長178センチだから、それつかえばできるわよね」


「すぐには・・・」


「まだ終わりじゃないわよ。今ドライアド呼び出す」


「お嬢さん。御用ですか」


「お姉さん、あなたの一族、世界中に1000本以上いるのよね。その人たちに自分の位置をナビに表示してもらうことはできるかな?」


「できると思います。私たちの問題ではなくて、ナビの方の問題ですね」


「ナビ太郎、出来る?」


「ドライアドさんたちはネットワークにつながっているので、一族の方の了解があれば、全員をネットワーク化して、自動的に位置を表示することは可能です」


「それですべての木から東西南北の写真を撮ってもらって。それを合成してね」


「できなくはないんですが、時間が」


「5日あげるから。すぐやって」


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