ALIFE & gazer (短文詩作)

春嵐

ALIFE & Gauge

 彼が死ぬ。なんとなく、それが分かってしまう。

 彼の、他人に自分のエネルギーを渡す力で。彼は死ぬ。

 彼の友達が、死にかけている。それをわずかに延命させる、そのためだけに。彼はすべての命を使い果たす。

 どうせすぐ死ぬのに。わずかな延命の先には、何もない。彼が死に、しばらくして彼の友達も死ぬ。

 たぶん、わたしよりも友達のほうが大切なのかと訊いたら、そうだと答えるだろう。そういうところに惚れたというのもある。

 わたしの命を渡せればなあ。

 そう思うだけで、実際のところ、変わらないかもしれない。彼のいない人生。あんまり想像ができない。まだ彼は生きている。

 そして、これから死ぬ。

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ALIFE & gazer (短文詩作) 春嵐 @aiot3110

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