第4話 救世の仕組み
東京のマンションに到着し、幽体から物理動作がある程度可能なセミアストラルボディ-半幽体に変換された俺は、思考を整理しながらガイアとメッセージの作成について話し合っている。
ガイアの報告ではタヒチの俺は波にさらわれて行方不明になったと解釈され、捜索が続けられているとのこと。
可能な限り早く事態を解決して戻らないと、本当にまずいことになる。葬式をあげられて、新婚旅行で彼女を未亡人にさせるわけにはいかない。
俺からガイアにこれまでのやりとりで納得できていない疑問をぶつける。
「地球から太陽にメッセージを伝える、その方法が判らない」
『太陽と惑星は、太陽風を介して会話をしている。通常は太陽が一方的にメッセージを送っているが、各惑星の磁場にとらえられた粒子は、放射線帯、地球でのヴァン・アレン帯を形成し、時として特定波長の電磁波を太陽に向けて返す。これがメッセージの正体だ。単純なメッセージは可視光線、オーロラとして返し、今回のような複雑なメッセージは極超短波として発信する』
「太陽に届くような出力の電波をだせるような施設は持っていない。アマチュア無線の機器が物置にあるはずだが動くかどうか」
『2.4GHz帯の携帯電話から、特定のフォーマットに成形したファイルを送信してもらえばよい。ヴァン・アレン帯や電離層はガイアからのメッセージを増幅して太陽に送るために蓄積された粒子の塊だ。時折、太陽フレアの活動に伴い、携帯電話網や無線通信が不調となるのは、ガイアから太陽へメッセージが送られているからだ』
「通信方法は理解した。結婚式と新婚旅行の準備で、全くかかわっていなかったここ1か月の『アマテラス』からの太陽表面データの採取から始めよう」
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