第5話 勉強も人間関係も大切です
エイドリアン仲良くなる大作戦に苦戦している中、まず取り掛かったのは公爵令嬢としてしっかり勉強すること。
いずれなるであろうカルロ様の婚約者として恥ずかしくないよう、カルロ様に恥をかかせないようにしっかり勉強しなくては。
そもそも前世の私は勉強自体嫌いではなかった、好奇心旺盛でなんでも知りたがりの性格だったので、色々知れる勉強が楽しかったのだ。
ただ今までのエイリーンはとにかく勉強嫌い、
「勉強なんかして何になるの?女の子は美しければいいのよ」
が口癖だった。
だからほとんど勉強をせず、日々ドレスや宝石を買いあさっていたのだ。
エイリーンってまだ7歳よね。なんて子供だったのかしら…
今までの自分に若干引きつつ…とにかく挽回しなくては!
そう決意して以降、今までとは別人のように勉強やダンスに励んだ。時には教育係に頼んで、勉強時間を延長してもらうこともあった。
特に歴史の勉強は興味深かった。アレクサンドル王国には必ず聖女がおり、先代の聖女が亡くなると、数年以内に新しい聖女が誕生する。聖女が結界を国中にはりめぐらせることで、魔族が入れない状況になっているとのこと。
常に聖女に守られているアレクサンドル王国は、発展を続けている。ただ数百年に一度よみがえるという魔王。魔王とのし烈な戦いで、歴代の聖女の中には命を落とした人もいたとのこと。
漫画では描かれることが無かった歴史を知れるのは本当に楽しい。
他にもマナーやダンス、覚えなければいけないことがいっぱいあるけど、何とか投げ出さずに頑張っている。
先生からも最近では
「最近のエイリーン様は本当によく頑張っておられますね、このままいけば立派なレディになれますわ」
なんてお褒めの言葉も頂けるくらいだ。
そしてもう1つ、私がやったことは使用人たちとの信頼関係の回復。
今までのエイリーンはとにかく我が儘でヒステリック。気に入らないと使用人たちに当たり散らしていた。
そのせいで、使用人たちからの評判は最悪だ。
これからもお世話になる使用人たち、どうせなら仲良くしたい。
もしもの時助けてくれるかもしれないしね。
特に年の近いアンナとは姉妹のように仲良くしたい。
前世では5歳上の姉がいたが、色々と相談に乗ってもらうことも多かった。
女性の味方って本当に大切なのよね。
そこで私がまず行ったことは、使用人たちに素直に今までの行いを謝った!
そしてこれからは仲良くしたいことを伝えた。
もちろんヒステリックに怒鳴り散らすなども行わず、常に感謝の言葉を伝え続けた。
特にどんな些細なことでも「ありがとう」と言葉をかけた。そうすると、使用人たちも顔が緩むのである。
時にはプレゼント攻撃で、使用人の心を掴もうともした。
まさに何でもあり状態だ。
最初は戸惑っていた使用人たちも、今ではだいぶ打ち解けてきている…と自分では思っている。
「お嬢様は本当に変わられた」
そんな言葉が屋敷のあちこちから聞こえてくるのは、私が頑張った結果かな?なんて思っている。
最初は震えていたアンナも、最近ではよく笑うようになった。徐々にではあるが、打ち解けてきたのは私としても素直に嬉しいな。
相変わらずエイドリアンとの仲はまだまだだけど…いつか打ち解けられるといいなと思っている。
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