最終章 第31話

「拓哉、顔が赤い……。」


「いや……。

お前から迫って来るとか、滅多に無いから……。」


「私だって……。

触れたいなって思うよ。

欲求不満とか分からないけど……。」


私は拓哉をどうしたいんだっけ?

よく分からないけど、いつも拓哉がしてくれる事をしてあげたらいいのかな?

耳とか首とか……。


「んっ……。」


拓哉が声を出す。

こんな声、初めて聞いたかも……。


「ゆ……雪夏……。」


「拓哉……。」


拓哉が見た事の無い表情をしている。

恥ずかしそうで、気持ち良さそうで……。

そんな顔されたら……止まらない……。


「雪夏……あっ……ヤバい……。

ちょ、ベット……。」


さすがにこういう時にお姫様抱っこはしてあげられない。


「キャッ……。」


拓哉が私をお姫様抱っこして、ベッドに運んでくれる。


「ゴメン。

今日は俺、自主規制無理だと思う……。」


「いいよ……。

早く……しよう?」


「もーう、煽るな!」


拓哉がもう何も言うなと言わんばかりにキスをして来た。


「んんっ……。」


頭がボーッとしてくる。

いつも以上に優しく丁寧に……。


「イヤッ……。」


「嫌なら……やめるよ?」


「やめないで……。」


「フフッ、だよな!

だって、こんなになってる!」


「そういう事言わないで!」


「言うよ。

だって、可愛いんだもん。」


主導権を握ったつもりが……。

握り返されてる……。

でも……。


「雪夏、そろそろいい?」


「うん……。」


我慢出来ない声が響く。

こんな声、出しちゃうんだ……私。

そう思うと恥ずかしい。

でも……止まらない。


「はぁはぁ……。」


「雪夏、大丈夫?」


「う……うん……。」


「アイツらもしてるかな?」


「するでしょ……。」


「負けたくないな。」


「負けないでしょ?」


「そう?

じゃあ、まだまだやりますか?」


「えっ?

あっ……ちょ……あん……。」


拓哉は私の弱い所をせめて来る。

ズルイ……。

何もしてあげられないじゃん……。

体に力が入らない……。


「辛かったら言って?」


「大丈夫だから……。

拓哉の……したいように……。」


「分かった。

ありがとう。」


急に拓哉が激しく……。

ダメ……、これ、意識が飛びそう……。


「ん?

スマホ鳴ってる。」


どうやら私は……気を失うかのように眠ってたようで。

スマホの音で目覚める。


「あっ、起きた?」


「拓哉……。」


「大丈夫?」


「うん……。」


「何か沢山して来たけど……。

今日のが一番気持ち良かったって言うか……。」


「私も……。」


「そうか。

嫌じゃない?」


「うん。

拓哉となら。」


拓哉が額にチュッとキスをした。

凄く優しい表情に見えて、ドキドキした。

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