第3章 第44話

「雪夏、おめでとう。」


「ありがとう。」


まずは胡桃と安田さんが来た。


「これ私達から。」


「ありがとう、開けていい?」


「どうぞ。」


貰ったプレゼントを早速開封する。


「これ、どうやって……。」


「フリマアプリで見つけた!」


「ありがとう……。」


昨年欲しかったのに売り切れてたマフラーだった。

泣きそう。


「はーい、次は俺達!」


秋奈と亮太君が来た。


「本当にこれで良いっすかね?」


「間違いないわ。

雪夏、おめでとう!

開封していいわよ。」


「ありがとう。」


言われるがまま開封する。


「あっ……これは……。」


前に秋奈の家に行った時に私が凄く気に入ってたクッション。


「柄まで同じ必要あったかしら?」


「うん、同じでいいよ。

ありがとう。」


亮太君が『本当に喜ぶの?』って表情してるけど、私は嬉しい。


「はいはーい、次は私達だよーん!」


苑香と軽部先輩が来た。


「テンション高過ぎだろ?!」


「だってぇ、愛されてて羨ましい!」


「はいはい、そんな事よりプレゼント渡しなよ?」


「分かってる!

はい、開けていいよ!」


苑香がプレゼントを渡してくれたのだけど、ちょっと大きい。


「ありが……。」


開けてみて、驚いた。


「売ってるの?」


「うん。

可愛いでしょ?」


「うん、ありがとう。」


私がハマってるキャラクターのぬいぐるみ。

欲しかったけど、自力で見つからなかった物。


「あれ、拓哉は渡さないの?」


「俺は後にする。」


「意味深だな?」


「そんな事ないよ。」


佐藤先輩は後でくれるんだ?って思ったけど、後っていつだろう?


「雪夏、ロウソク消した時の煙が苦手でしょう?」


「うん。

胡桃、覚えてたんだ?」


「うん。

だからケーキ入刀でいい?」


「結婚式みたいじゃん?

私、切るの苦手だよ?」


「じゃあ、私とやる?」


「フフッ、何か不思議!」


そんなわけで胡桃とケーキ入刀!

皆が拍手してくれる。


「佐藤先輩じゃなくて良かった?」


「それはちょっとね?」


「そっか。」


胡桃がちょっぴり残念そうにしている。

ケーキは胡桃ママがキレイに切り分けて、皆に配ってくれた。


「さて、女子会しよっか?」


「え?」


「男子はあっちで御飯食べてるし。」


「あっ、本当だ。」


「雪夏の誕生日なのに雪夏より先に御飯食べるとか……。」


「いいよ、楽しければ。」


私は皆が楽しければ、私も楽しさのお裾分け貰ったみたいで嬉しい。

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