第2章 第24話

花火大会から帰った私達に、


「皆、かき氷食べない?」


秋奈の兄がそう言った。


「食べる食べる!」


「うん、食べたいです!」


胡桃と苑香が嬉しそうに言った。

秋奈の家には、ふわふわのかき氷が作れる、かき氷の機械があって、それは凍らせたフルーツもふわふわに削ってくれる


「うわっ、イチゴ削られてる!」


「メロンも?!」


苑香と胡桃が大興奮だった。

私は前に食べさせてもらった事があるから、そこまで興奮しないけど、絶対美味しい。


「いっただきまーす!」


皆で食べるかき氷。

いつもより美味しい気がする。


「食べ慣れた味なのに……凄く美味しい。」


「皆で食べてるからじゃん?」


「そうなのね……何かまた来年もこんなふうに……。

無理かな?」


「無理じゃないでしょ。

泊まれなくたって、集まれるよ。」


「そうね。」


「また来るから呼んで?

いや、呼ばれなくても来るから。」


「ちゃんと連絡を……。」


「あっ、そうか。

いきなり来たらダメなんだ?

ちゃんと連絡するよ!」


「ありがとう……。」


苑香と秋奈が話している。

私と胡桃は黙って聞いていた。


「ごちそうさまでしたー!」


皆で元気よく言って、何か合宿みたい。

そんな楽しい時間も明日の今頃には終わってる。


「ねぇ、枕投げする?」


「しないでしょ。

って、枕投げって誰が考えたの?」


「さぁ?」


「枕投げして喧嘩になった女子がいたね。」


「それ、私じゃん!」


「あっ、そうだ、苑香だ!」


「胡桃はあの時どうしてたの?」


「枕投げしたくないから、トイレ行くわーって部屋から出てた。」


「え?

マジで?」


「戻ってきたら、苑香が枕で殴り合いしてた……。」


「若気の至りでございます。」


「アハハ、まだ今も若いからね?」


苑香と胡桃が楽しそうに話してる。


「皆、早く寝ろよ!」


秋奈の兄が言う。


「なーに、先生みたいな事言って……って先生か。」


「先生だ、文句あるか?」


「ありませーん。」


苑香と秋奈の兄の言い合いが面白い。

苑香はいつもそんなふうに先生と話していて、ちょっとだけ羨ましい。


「さぁ……部屋に帰ろう!」


「うん、帰ろう!」


皆で部屋に戻るのも何だか楽しい。


「家じゃないみたい……。」


秋奈が嬉しそうに呟いた。


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