第2章 第8話
「ねぇ、見て、これ!」
胡桃が自分に届いたメッセージを見せて来る。
『ごめん、別れよう。』
胡桃の彼からだった。
「あれ?
彼からのは拒否したんじゃないんだ?」
「拒否したよ。
でもSNSのフォローしてくれてたの忘れてた。
そこにメッセージ来たって事は、拒否されたって気づいてるよね。」
「そうなんだ。」
「これ、返信した方がいい?」
「一応したら?」
さすがに別れたくないって勘違いされたくないと思う。
『分かった。さようなら。』
胡桃はそうメッセージを送った。
その直後にポロポロと涙を流している。
「拭いたら?」
秋奈がサッとハンカチ差し出した。
「ありがとう……。
秋奈って、お母さんみたい。」
「え?
せめて、お姉ちゃんにしてよ!」
「アハハ!」
胡桃が泣きながら笑った。
「胡桃は可愛いんだし、良い子なんだから、素敵男子を見つけなさいよ。」
「アハハ、秋奈ママ、分かったよ。」
「だーかーらー!
お姉ちゃん!」
「はいはい。」
「適当にあしらわないでよ!」
胡桃と秋奈が楽しそうで、ほっとした。
「はぁ……問題はこれからだよ。」
苑香が頭を抱えている。
「え?」
「真綾ちゃん、キレるわ。」
「真綾ちゃんって呼んでるの?
仲良しなんだ?」
「幼馴染みだからね。」
「真綾さんと胡桃と……大変ね?」
「ううん、別に平気。
友達二人が苦しむより、笑っていてくれたら嬉しい。」
「そうね。」
苑香が板挟みになりそうだ。
失恋の傷が癒えないって言うのに。
友達として支えて行きたい……。
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