第1章 第5話
「おーい!
いつまで寝てるんだー?」
「……。」
「帰ろうよー!」
「……。」
「はぁ……起きろぉー!」
苑香が私の肩を叩く。
その振動に驚いて、私は目覚めた。
「あっ……苑香。」
「もう帰る時間だよ。
爆睡してたね?」
「あっ、知らない内に寝てたかも?」
「そうなの?
お疲れなんだね?
お腹は?」
「すいてる……。」
「そうじゃなくてさ、痛がってたじゃん?」
「あぁ……。
うーん、平気かも?」
「じゃあ、洋服選ぶの付き合ってもらおうか?」
「あっ、うん。
いいよ。」
そういえば、そんな約束してたような……。
「本当に平気?」
「うん、お腹すいた以外は平気。」
「そっか。
じゃあ、おやつ食べに行こうぜ?!」
「うんうん、行く!」
「荷物、何を持って来たらいいか分からなかったからさ、一旦、教室に戻ろう?」
「うん。」
私は苑香と教室に向かった。
「あれ……佐藤先輩じゃん?」
「うん。」
苑香が指差したのは進路指導室。
佐藤先輩と来宮先生が何かを話すのが見えた。
「まぁ、あれは話しかけられないね?」
「うん……。」
私はこういう時、何も出来ない。
見て見ぬフリして帰ろう……。
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