第12話

「単刀直入に言います。あなた方は普通の人間ではありませんね」

残ったメイドさんたちは、きょとんとしていたが、すぐに悟ったようだ。


「やはり、わかりますか?」

「ええ。器と魂の姿が違っています。おそらくは、入り込みましたね」

メイドさんたちは、頷いた。


「りんちゃん、どういう事?」

カトレアさんは、不思議そうだ。


「この器の本来の持ち主は、既に死んでいます」

「死んでるの?」

「うん」


僕が話そうとした時、メイドさんのひとりが割って入った。


「そこからは、私たちが説明します」

「あなたたちが?」

「ええ。彼よりも私たちのほうから、お話したほうがいいでしょう」


率先しているのは、みどりさんのようだ。

確かに、一番の年長者のようだ。


「私たちの、この器の本来の持ち主はすでに、亡くなっています」

「なら、あなたたちは?」

「私たちの、本来の器は逆にありません」

「つまり・・・」


要約すると、こうなる。


器の本来の持ち主は、不慮の死を遂げた。

そして、今器に入っている人も、不慮の死を遂げた。


だが、今器に入っている魂は、まだ未練があった。

そして、神の許可を得て、おのおのの器に入り、人生を歩んでいる。


本名でなく、偽名を使いあっているのも、そのためだ。


ここに来たのは、いつか僕に会えると思っていたのだろう。





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