第6話

「じゃあ、お願い」

「もういいの?」

「うん」


カトレアさんは、頷く。


僕は人並外れて霊感が強い。

霊が見えるし、孝霊術を使わなくても、召喚出来る。

その事を知っている人からは、不気味がられる。


カトレアさんも、それを知っていて僕を呼んだのだ。


彼女が呼びたいのは、この部屋の主だった人だろう。


「もういいです。出てきてください」

『いいんですか?』

「ええ。あなたがさっきから、見ているのはわかっています」

『さすが、霊媒師の息子さんですね』

「それは、あまり関係ありません」


そう・・・

僕の親は霊媒師。

霊を呼べる。


「あなたは、玲亜さんの祖母ですね」

『はい。久子と申します』

「久子さん。僕の体に入ってください。直接お話をしたでしょ?」

『大丈夫ですか?』

「ええ。少しなら平気です」

『では・・・』


僕の体内に、霊が入ってくる。

慣れている。


そして・・・

意識が遠のく。


「おばあちゃん・・・?」

「久しぶりだね。玲亜・・・」


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