第36話:学校崩壊
ガラスが割れ、叫び声が教室にこだまする。
グラウンドから真っ直ぐに2階のリリたちがいる教室へと飛び込んできた異形の怪人は数人のクラスメイト踏み潰しながら立ち上がる。
「か、怪人…?」
リリは目の前で起きた光景に思考が止まる。その異形の怪人―――
「いや、死にたくないっ!」
それが皮切りであった。
我先にと怪人に押しつぶされたクラスメイトを見捨てて他のクラスメイトたちも二宮と同じく叫び声を上げて逃げ出して行く。モスマンはそんな阿鼻叫喚な様を見ながら、低くくぐもった声で笑う。
「ぐっぐぐ、ぐぐっぐっ」
リリはその様子を見ながら、混乱しているクラスメイトの陰に隠れながら自分のカバンへと手を突っ込むと、カバンの底にいる
(
(わかってる!)
カバンへ入れられた手を伝い、
「当たって!」
リリは銀の矢をたがえるとすぐさまモスマンへと撃つ。笑い声を上げて油断していたモスマンはその銀の一矢を避けることは出来ずに、胸元―――頭部が胸部にあるモスマンにとっては額へと突き刺さる。突き刺さっだけではない。銀の矢はモスマンに突き刺さっても勢いは止まらず、モスマンごと窓ガラスをぶち破ってグラウンドへと落ちていく。
「とりあえず、これで…!」
「きゃあああああ!?」
ひとまずは教室から怪人を追い出せた、そうリリが思ったのも束の間、今度は廊下からガラスが割れる音と叫び声がこだまする。
「えっ!?」
リリが扉付近で固まっているクラスメイトを掻き分けて廊下に顔を出すと、そこには7人の
(追わなきゃっ!)
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