第7話 ご近所さん

 家族の話ばかりしたから、今日はご近所さんの話をするわね。


 まずはカラスのカースケ。なんとなく親近感を覚える名前よね。

 このカラス、わたしがまだ、こねこだったころ、ほかのカラスにいじめられてたのを助けてくれたの。

 紳士的なカラスね。

 それ以来、仲良くさせてもらってるわ。


 

 それから、ほかのひとたちだけど、

 グレイと白の細かいストライプ柄で、毛が短くしっぽの丸いマル。

 白くて、わたしほどではないけれど、シュッとしたしっぽのシロロ。

 ジゴロを気どる茶色いチャトラね。


 チャトラはジゴロを気どっているけれど、わたしから見ればただのヒモね。

 あちこちからごはんをもらって暮らしているわ。体がぼてっとしているのもマイナスね。


 なに? ジゴロやヒモって言葉をどこで覚えたのかって?


 お母さんと昼ドラを見て覚えたのよ。


 りっぱなレディに教養は必然ですもの。


 レディたるもの、学びは疎かにしないのよ。



 ある日、シロロに相談を持ちかけられたの。


「ポンさん、アタシもうすぐ子どもが生まれるんです。……」


「あら、おめでとう。」


「でも、このままだと、前のときみたいに、人間に生まれた子たちを取り上げられてしまいます!どこかいいかくれ場所ご存知ではありませんか?」



 ご近所さんでは一番の先輩になったわたし。とても頼りにされているのよ。

 りっぱなレディですもの。もちろん、助けてあげたわ。シロロとはシロロの親の代からの付き合いだしね。

 だから、人間には見つからない隠れ場所を教えてあげたわ。

 子どもたちが自分でネズミを獲れるようになるまで、ネズミの差し入れも何度かしてあげたの。とても喜ばれたわよ。


 ひとの役に立つってとても素晴らしいことね。


 りっぱなレディとして、奉仕活動も大切にしてるのよ。

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